
リヤド:サウジアラビアは、シリアおよび同国との紛争における全当事者に対し、化学兵器禁止機関に全面的かつ誠実に協力し、同国における化学兵器に関するすべての指示に従うよう求めた。
要請は、11日から14日までハーグで開かれている第103回執行理事会においてなされた。サウジアラビアの代表団は、駐オランダ大使でOPCWの常任代表であるジヤド・アル・アティヤ氏が率いる。
国営サウジ通信(SPA)が報じたところによると、同氏は執行理事会で、先月レバノンの首都ベイルートで行われたシリア代表とOPCW技術事務局チームとの会談について歓迎の意を表した。
また、技術事務局の最近の声明についても、7月7日に米国が保有する最後の化学兵器備蓄が廃棄されたことを以って、世界における全ての宣言された化学兵器備蓄の廃棄が完了したことを歓迎した。
— OPCW (@OPCW) July 7, 2023
#OPCW confirms: All declared #ChemicalWeapons stockpiles verified as irreversibly destroyed.
The last chemical munition of the US' declared chemical weapons stockpile was irreversibly destroyed in accordance with the #ChemicalWeaponsConvention.Read the full press… pic.twitter.com/PQpymyvO0k
「こうして、化学兵器禁止条約の重要かつ基本的な目標が達成され、これにより、条約が歴史上最も成功した軍縮協定であることが疑いの余地なく証明された」とアル・アティヤ氏はワシントンの成果を祝福しつつ述べた。
同時に、今後は化学兵器の再出現と、その使用、拡散の防止に焦点を当てる必要があると強調した。また、サウジアラビアが化学兵器禁止条約の下での義務を履行することに大きな重点を置いていると改めて述べた。同氏は、化学兵器禁止条約の目指すところは、国際平和と安全保障を強化し、化学が平和目的にのみ使用されることを確実にすることだとしている。
化学兵器とそれがもたらす脅威を排除するというサウジアラビアの決意は、あらゆる種類の大量破壊兵器を禁止とその拡散防止、中東地域における化学兵器撤廃に向けた努力にあたって、協力関係を強化するという同国の方針を反映したものである。
「誰によるものであれ、いかなる場所でも、いかなる状況下でも、化学兵器や毒性物質の使用は非難に値することであり、条約の規定に違反する」とアル・アティヤ氏は述べている。
また、地理的代表がOPCWの機能の範囲内においてより公平に選出されることを目指す決議案が全会一致で採択されることに期待を表明し、理事会の全メンバーに対し、これを支持するよう呼びかけた。
そのうえで、OPCW加盟国間の技術移転と技術支援を促進するため、サウジアラビアが化学・技術センターの新設に5万ユーロ(約5万6,000ドル)を寄付した実績をアピールした。
アル・アティヤ氏は寄付について、化学兵器の禁止とその拡散防止に向けた国際協力強化を目的とするイニシアティブを、化学兵器禁止条約とそれが国際平和と安全保障の強化に果たす役割に沿って支えるサウジアラビアの努力の一環だとしている。