Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

人気ゲームシリーズのサウンドトラックを手がける日本人作曲家 高田雅史

作曲家としての最初のプロジェクトでは、仕事で『らんま1/2バトルルネッサンス』や『2TAX GOLD ニタックスゴールド』のサウンドを作った。この経験は、最終的に『ダンガンロンパ』につながった。
作曲家としての最初のプロジェクトでは、仕事で『らんま1/2バトルルネッサンス』や『2TAX GOLD ニタックスゴールド』のサウンドを作った。この経験は、最終的に『ダンガンロンパ』につながった。
Short Url:
28 Sep 2023 09:09:43 GMT9
28 Sep 2023 09:09:43 GMT9

アミン・アッバス

ドバイ:『ダンガンロンパ』、『ノーモア☆ヒーローズ』、『大乱闘スマッシュブラザーズ』等のビデオゲームの音楽制作で知られる日本人ビデオゲーム作曲家・サウンドデザイナーの高田雅史(たかだまさふみ)氏に話を聞いた。

アラブニュース・ジャパンの独占インタビューに応じてくれた高田雅史氏は子供の頃、叔父がSYSTEM10(システムテン)というゲーム機を持っていたことからビデオゲームへの興味が始まったと語った。

「私がハマったゲームは基本的に、アタリ(ATARI)の『ポン(PONG)』のような対戦ゲームでした。正月休みに集まった同年代の親戚と、外で遊んでいるような感覚で盛り上がったのを覚えています。スポーツのようでいながら、室内のテレビの前で盛り上がれる、こうしたゲームにとても興味を持ちました」と話してくれた。

その後彼は、任天堂の携帯ゲーム機『ゲーム&ウオッチ』にハマり、それからファミコンやスーパーファミコンなどのゲーム機で遊んだ。

「当時はまだマイクロコンピュータと呼ばれていたと思いますが、パソコンにも興味がありました。それがようやく手が届く価格になってきて、父が買ってくれたSHARPのMZ-2000でタイピングをマスターし、BASIC言語を使って簡単なゲームを作成したり、電波新聞社が発行していた月刊誌『マイコンBASICマガジン』に毎号掲載されていたプログラムをタイピングしたりしました」と彼はアラブニュース・ジャパンに語った。

高田氏は、物心ついた頃から電子オルガンの演奏を学んでいた。「幼児教育で電子オルガンを習い、音楽を通して自分の『思い』を表現することを学びました。私の最初の音楽体験は、聴いた音楽よりも弾いた音楽や作った音楽が中心でした。おそらく言語を話すのと同じ感覚だったのでしょう」と彼は振り返る。

作曲家としての最初のプロジェクトでは、仕事で『らんま1/2バトルルネッサンス』や『2TAX GOLD ニタックスゴールド』のサウンドを作った。この経験は、最終的に『ダンガンロンパ』につながった。

高田氏はゲーム『ノーモア☆ヒーローズ』の音楽制作の道のりを、「各画面や状況、プレイヤーの感情をそのまま音楽に翻訳するような感覚で、かなり自由に作ることができました」と振り返る。「実際にゲームをプレイしながら音楽を作るというこのスタイルは、今もあまり変わっていないので、自分には合っているのだと思います」

高田氏は人気ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ』の音楽も手がけている。好きな曲を自由に選んでアレンジすることができたので、より楽しく作業ができたと語っている。彼はその一環として、『餓狼伝説』から、『ハレマー教カポエレ派戦いの歌 (信じるものは救われる)』と、『バンジョーとカズーイの大冒険』のタイトル曲を選んだ。

高田氏は『ダンガンロンパ』の音楽について、「タイトルトラックでコンピュータボイスに『ダンガンロンパ』と言わせたアイデアは、今でも気に入っています」と語った。「『ダンガンロンパ』は新しいオリジナルIPであり、独特のタイトル名だと感じていました。そのため、まずは人々に覚えてもらいたかったので、YMOの『テクノポリス』のようなインパクトのある出だしから始めることにしました。『ダンガンロンパ』は、私にとって初めの、ナンバリングされたストーリー性のあるタイトルの音楽を作る経験になりました」

2017年、高田氏はスパイク・チュンソフトの元メンバーとともにゲーム開発スタジオ「Too Kyo Games(トゥーキョーゲームス)」を共同設立した。同社では『デスカムトゥルー』(2020)、『超探偵事件簿 レインコード』(2023)の音楽を担当している。

高田氏は今年6周年を迎える「Too Kyo Games」の状況について、アラブニュース・ジャパンに語ってくれた。「設立当初に思い描いていたよりも、会社ははるかに大きく充実したものになったと思います。設立後に会社に加わったスタッフや提携先、他の会社とのコラボレーションに恵まれ、これからも楽しみです」と語った。

若いミュージシャンや作曲家に対するアドバイスを求められた高田氏は、「ゲーム音楽だけでなく、さまざまなことに興味を持つことが大切だと思います。特にゲーム制作の分野では、とても器用で何でもできるサウンドスタッフが多いと感じています」と語った。

高田氏はこれまで中東を訪れたことはないが、将来的には訪れたいと考えている。彼は現在、近々発表される新しいプロジェクトに取り組んでいる。

特に人気
オススメ

return to top