
ドバイ:中東を何度も旅した日本人作家の白河清兵衛さんは、その文化に触発されて『ライラさんと学ぶアラビックコーヒー』というタイトルの自費出版漫画を描いた。
この漫画は同人誌であり、特定の読者に向けた自費出版作品である。清兵衛さんの同人誌は、日本のビデオゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」のキャラクターをモデルにしている。ゲームシリーズでは、ライラはドバイ出身の金持ちの娘。彼女はアイドルとして活動するために日本に移住する。
「実際にゲームをプレイすると、UAEに対する日本のイメージが盛り込まれていると感じる」と清兵衛はいう。
「そこで、ライラさんがマジュリスやアラビックコーヒーについて説明すれば、(ライラさんが好きな)プレイヤーは、さらにUAEやライラさんの出身地であるドバイに興味を持つのではないかと考えました」と付け加えた。
清兵衛さんは2008年、ビジネスイベントに参加するために初めてUAEを訪れた。「アニメファンのUAEの友人たちに会いましたが、彼らの知識が日本のアニメファンと変わらないのでとても驚いた」と著者はアラブニュース・ジャパンに語った。
「彼らはすごいと思ったシーンを分解したり、アニメーターの名前を自分で調べたりしていました。私は大学の先輩から有名なアニメーターについて学びましたが、彼らは自力でそこにたどり着いていました。とても驚きました」という。
清兵衛さんは、UAEを訪れてから現地の友人たちと親しくなり、その文化についてもっと知りたいと再訪するようになった。UAEを訪問した際、彼はマジュリス(人々が話をするサロン)について学んだ。
「マナーは日本の茶道のように堅苦しいものではありません。私見ですが、アラビックコーヒーや作法は、マジュリスという空間で友人との会話や交流を楽しむものだと感じました。友人たちとマジュリスで語り合った穏やかで温かい空間は、とても心地よく、素晴らしい経験でした」と振り返った。
漫画のイラストは、にしやまゆーいちが担当している。「私は絵が描けないので、ゆーいちさんに相談しました。特に、ゲームではあまり描かれない、ライラさんの魅力的で素敵な首長国の一面を描いていただきました」
作家は、次回自費出版する漫画では、中東で人気のデザートであるハルワにまつわる文化を描きたいと語っている。「昨年UAEを訪れたとき、自家製のハルワを出されました。ハルワはドバイやアブダビのスーパーで買うものだと思っていたので、この時点ですでに衝撃を受けました。しかも、私が知っているハルワとはまったく違っていました」
「日本でも人気のハルワは、UAEなどでは『ラハシュ』と呼ばれていることを後で知りました。食べ方にも作法があり、アラビックコーヒーよりも奥深く、文化的に根付いていると感じ、とても興味深かったです。次の本では、ライラさんにハルワについて語ってもらいたいと思います」と付け加えた。
「ライラさんと学ぶアラビックコーヒー」は日本語版と英語版があり、価格は500円(約12AED)で、デジタル版はこちらから購入できる。