機動戦士ガンダムSEEDフリーダム』が今年ついに公開され、人気ガンダム・シリーズのファンたちは18年ぶりに大喜びした。
この映画は全世界で3,200万米ドルを稼ぎ出し、ガンダム・シリーズで最高の興行収入を記録した。
監督は福田己津央で、脚本は亡き妻の諸沢千秋、後藤リウと共同執筆した。キャラクターデザインは『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司。
映画の舞台は、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』から1年後のコズミック・イラ(C.E.)75。
ブルーコスモスによる独立運動と侵略が行われている。事態を沈静化させるため、ラカス・クラインを初代総裁とする世界平和監視機関「COMPASS」が設立される。
キラ・ヤマトとその仲間たちはCOMPASSの一員として、各地の戦闘に介入していく。そして、新たに設立されたファウンデーションという国家が、ブルーコスモスの拠点に対する共同作戦を提案する。
C.E.は、遺伝子改造によって優れた身体能力と精神能力を持つコーディネーターと呼ばれる人類と、自然に生まれたナチュラルと呼ばれる人類が存在する時代。
それぞれの存在が危ぶまれる中、コーディネーターとナチュラルのイデオロギーの衝突は武力による戦争へとエスカレートしていく。
映画では、オリジナルシリーズ当初から独善的な十字軍であろうとするキラの葛藤が浮き彫りになる。
COMPASSの総裁を務めるラクスも同様に、世界の過酷な自然に苦悩している。ナルシストなアグネスに挑発され、怒りに任せて行動した結果、平和を見出そうと奮闘するシン・アスカや、映画を通して実に目覚ましく、支えとなるアスラン・ザラなど、他の登場人物とキラを結びつけてしまったと彼女は感じている。
前2作の様々なフラッシュバックと、それが本筋の出来事に与える影響は、過去2作を観た者にとっては新鮮であり、楽しみでもある。
本作のアニメーションは、オリジナル・シリーズから大きくジャンプアップしており、モビルスーツや艦船、劇中の一部エリアでCGIアニメーションの要素が使用されているほか、キャラクターや背景、壮大な戦闘中のディテールの素晴らしさが観客を惹きつけている。
戦闘シーンは一貫してエンターテインメント性が高く、エネルギーに満ちあふれており、本作のアニメーションがいかに優れているかを物語っている。
前2シリーズの声優陣の再登場は、彼らのキャラクターを愛してやまない観客に楽しさと興奮をもたらすとともに、新キャラクターの登場による様々な台詞や絡みは、映画の様々なシーンでの彼らの演技を際立たせている。
映画の音楽は、ベテランの作曲家、佐橋俊彦によるもので、前2シリーズの音楽で素晴らしい仕事をした後、シリーズに復帰したことを示すもので、特に、古典的なテーマの再現と新しい音楽が混ざり合い、独特のサウンドを加えて、長年彼の音楽を楽しんできたファンに素晴らしい雰囲気と喜びを与えている。
全体として、『機動戦士ガンダムSEED フリーダム』は、20年もの間、大好きなキャラクターとモビルスーツが大スクリーンで見られるのを待ち望んでいたシリーズファンにとって、楽しみと興奮を与えてくれる、素晴らしいご褒美であり、同窓会のような特別な作品である。