


ドバイ:ドバイのアル・セルカル・アベニューでは1月まで、尾田栄一郎氏の代表的な漫画「ワンピース」のキャラクターをUAE独特のスタイルで再構築し、日本とUAEの文化を創造的に融合させた、楽しく魅力的な特別美術展を開催している。
「ルフィ・ルツフィ|首長国マンガ」と題されたこのクリエイティブな展覧会では、UAEのアーティスト、アブドゥラ・ルツフィの作品が展示される。モノクロの線画で知られる彼の作品は、UAEの日常生活のエッセンスを捉えている。
「アルセルカル・アヴェニューでの個展は、どんなアーティストにとっても名誉なことです。自分の才能を披露できて本当に嬉しい」と彼はアラブニュース・ジャパンに語った。
12歳からアニメを見始めたというルツフィ氏は、「ワンピース」を史上最高のアニメのひとつだと考え、作品にスポットを当てることにしたと付け加えた。
展覧会では、アラブ風にアレンジされた漫画の様々なキャラクターが描かれている。「アラビア語のフレーズを多用し、楽しい要素を加えています」とルツフィ氏は語った。「漫画に沿うように紙に描いたのは今回が初めてです」
「私はいつもモンキー・D・ルフィ(『ワンピース』の主人公)がUAEに来ることを空想していました。もし彼が来たらルフィと呼ぶと自分に言い聞かせていました。だから私の展覧会はルフィ・ルツフィなのです」と付け加えた。
木曜日に行われた展覧会のオープニング・ナイトでは、アーティスト自身がゲストを出迎え、歓迎した。「オープニングはとてもうまくいったと思う。そして反響は良かったです。私の作品がゲストにインスピレーションを与え、願わくば、ゲストが作品を購入し、家に飾ってくれることを期待しています」と語った。
在ドバイ日本国総領事館の今西淳氏もギャラリーのオープニングに出席した。今西氏はアラブニュース・ジャパンの取材に応じ、この展覧会が日本とアラブ首長国連邦の関係を強化し、UAEの人々に日本の芸術を紹介するための素晴らしい一歩であると語った。
「UAEのアーティストが日本のアーティストとほとんど同じ(スタイルの)絵を描けることに本当に驚いている。このコラボレーションを通して、日本の漫画とUAEの文化は両国の絆を深めることができる。日本はアニメを(絆を深める)手段として活用すべきだと思う」と述べた。
この展覧会は、アル・セルカル・アベニューのメスタリア・ギャラリーで開催されている。メスタリア・ギャラリーは、この地域の地元アーティストの才能を紹介することに力を入れているギャラリーだ。同ギャラリーのディレクター、ヌスラット・ベガム氏はアラブニュース・ジャパンの取材に対し、「私たちは、ルツフィ氏のような勢いのあるアーティストに特別な思い入れがあり、彼の作品に超熱中しています」と語った。
同ギャラリーは過去にルツフィ氏のエージェントを務めたことはあるが、彼の日本風の作品を扱うのは今回が初めて。「彼の作品は常にUAEの生活をテーマにしていました。彼が成長するにつれ、日本文化も大好きになったようです。今回初めて、彼が慣れ親しんできたものを、日本への絶対的な愛とミックスすることにしたのです」と彼女は語った。
「ゲストたちは、彼のユニークな視点が大好きです。それは(彼の作品について)いつも言われることです。多くの人が日本文化を愛しているので、ギャラリーに来て、この融合に驚いています。どの作品もノスタルジックな気分にさせてくれます。どの作品もそれぞれの旅に連れて行ってくれます」
ルツフィ氏の作品を長年追いかけているゲストの一人は、アラブニュース・ジャパンの取材に対し、ギャラリーに驚いたと語った。「以前の彼の絵はとても変わったスタイルだったので、日本の漫画のようなスタイルでどのような展示をするのか興味がありました。本当に感動した。彼が新しいスタイルに移行するのを見るのは本当にクールです」と彼女は語った。
また、ルツフィ氏の作品を知らなかった別のゲストは、彼の作品はインスピレーションに富み、クリエイティブだと語った。「既成概念にとらわれない。グラフィックやイラストが好きな人なら誰でも訪れるべきです」『ベイルート・アート・マガジン』という自身のアート雑誌を発行しているゲストのミルナ・エル・オスタ氏は、「見るには完璧な展覧会です」と語った。
展覧会は1月2日まで毎日午前10時から午後7時まで開催される。
史上最も売れた漫画と言われる「ONE PIECE」は、次の海賊王になるための宝「ワンピース」を探すルフィとその一味の冒険を描いている。