


東京:東京で開催される新しい展覧会「北斎展」で、来場者は日本の武士の時代にタイムスリップすることができる。
「北斎: 記録的な数の観光客が押し寄せる中、日本の文化的過去への関心が高まっている。
ダウンタウンのショッピングモールにあるこの展覧会は、江戸時代の木版画の巨匠が描いた自然や村の生活の場面に観客を誘う。
デジタル画像処理会社アルス・テクネの技術で、彼の版画の和紙の質感が再現されている。ソニーPCLが開発した床面の触覚プレートは、浜辺や氷の上を歩いているような、あるいはガタガタ揺れる橋を渡っているような感覚を与える。
「コンセプトは、ただ何かを見るのではなく、北斎が見た風景を感じてもらうことで、本物を超えた体験をしてもらうことです」と、展覧会の企画に協力したレッドギークピクチャーズのビジュアルアーティスト、井口裕樹氏は語る。
1760年生まれの葛飾北斎は、独特の色使いとダイナミックな構図で浮世絵という画材を新たな芸術的高みへと導き、人気を博した。
北斎が描いた富士山は日本を象徴するものとなり、代表作「神奈川沖浪裏」は現在、日本の千円札の裏面を飾っている。
彼の版画は1849年の死後ヨーロッパでヒットし、美術界にジャポニスム運動を巻き起こし、クロード・モネやフィンセント・ファン・ゴッホといった画家たちにインスピレーションを与えた。
土曜日から6月1日まで東急プラザ渋谷で開催される北斎展は、東京に住む人々や海外からの観光客の間で人気を博している、テクノロジーを駆使した没入型のアートショーケースに続くものだ。デジタルアート集団のチームラボは、都内に2つのインタラクティブ・ミュージアムを持ち、入場者数でギネス世界記録を樹立している。
福水真理子さん(42歳)は、4歳の娘が北斎の冬の情景を描いた作品で、氷を踏んだり割ったりするのが大好きだという。「アートを見るのは好きですが、子どもと一緒だと難しいので、一緒に行っていろいろ体験できるのはいいですね」と福水さんは語った。
日本は円安による観光ブームに沸いており、マンガから映画まで文化輸出は空前の人気を博している。昨年の時代劇大作『将軍』は、エミー賞とゴールデングローブ賞の主要賞を総なめにした。
トルコから訪れた22歳のエテム・ソンメズさんは、日本のアニメや漫画が自国で人気を集めていると語った。彼は、北斎の風景を駆け抜ける風をシミュレートした展示室で涙が出そうになったと語った。
「新幹線の中で初めて富士山を見た瞬間のようでした。魅惑的で、ここで再びそれを感じました」
ロイター