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日本のアニメ業界御用達の色鉛筆 生産終了へ

三菱鉛筆を手に持つ東京の文具店、相馬屋源四郎商店の11代目店主、長妻直哉さん(2021年2月3日、ロイター/Chang-Ran Kim)
三菱鉛筆を手に持つ東京の文具店、相馬屋源四郎商店の11代目店主、長妻直哉さん(2021年2月3日、ロイター/Chang-Ran Kim)
東京の文具店の販売コーナーに並ぶ三菱鉛筆(2021年2月3日、ロイター/Chang-Ran Kim)
東京の文具店の販売コーナーに並ぶ三菱鉛筆(2021年2月3日、ロイター/Chang-Ran Kim)
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03 Feb 2021 06:02:14 GMT9
03 Feb 2021 06:02:14 GMT9

東京:三菱鉛筆が今週、長く販売してきた色鉛筆シリーズの縮小を発表したことで、日本のアニメ業界は制作ツールの1つを失うことになる。

三菱鉛筆は6月に、硬質色鉛筆「7700」シリーズを縮小し、「赤色」のみの販売とする。2015年にいったん生産終了が決まったものの、アニメ業界の働きかけで販売が継続していた「橙色/黄緑/水色」が打ち切りとなる。

「『7700』はアニメーション制作になくてはならない重要なツールであり、個人・法人を問わず生産終了に伴い大きな影響を受けることが予想されます」と日本動画協会は声明の中で述べた。

日本を代表する漫画・アニメ業界ではデジタルツールの採用が進んできているが、多くのクリエイターたちは今なお、労働集約的な制作過程において紙と鉛筆を用いている。

三菱鉛筆は原材料調達の問題が今回の決定につながったとしている。同社の広報担当者は原材料不足の要因等については営業秘密であるとして、詳しい言及を避けた。

1880年代に創業した同社は、「7700」シリーズの色鉛筆の売上高を公表していないが、広報担当者は「アニメ業界の方々にご愛顧いただいてきた」としている。

コンピュータアニメーションの技法を広めたディズニー&ピクサーのスタジオとは対照的に、日本のアニメ業界では伝統的な手法が主流だ。

硬質鉛筆はアニメや技術文書の精密な作業には有用だが、素人には扱いにくい。

「『7700』シリーズはもう売れません」と東京の文具店、相馬屋源四郎商店の11代目店主、長妻直哉さんはいう。

何百年もの歴史を持つこの店では今も、かつて建築家が設計図を書くのに愛用していた「7700」シリーズの「赤色」を扱っている。

設計作業はデジタル化されて久しく、長妻さんは「おそらく、『7700』の「赤色」は通常の赤鉛筆が3000本売れる間に1本売れるぐらいだと思います」と語った。

ロイター

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