










ムハンマド・アル・キナニ
ジェッダ: サウジアラビアの芸術家が、ロサンゼルス近郊の最も高級な住宅物件を飾りハリウッドで知名度を上げている。
アブドゥッラフマーン・ハムディ氏のアート作品が、世界の映画の都の販売住宅を飾っている。彼の作品が飾られている住宅物件の中には市場価格で1400万ドルを超えるものもある。
毎日誰かが一枚の抽象画の中に何か新しいものを見つけ、それ以上のものを感じている。
アブドゥッラフマーン・ハムディ氏
ハムディ氏は、一番の支援者である母親に支えられ、アメリカのハイエンド向け、演出とインテリアデザインの大手企業プレミア・ステイジャーとの「素晴らしい機会」を確たるものとした。彼の作品が展示販売される突破口となった機会だった。
彼のアメリカでの成功物語はそこで終わらない。: ロサンゼルスを拠点とする不動産雑誌が、表紙に彼の作品を載せた雑誌を出版。ヴォーグ・アラビアは、ハムディ氏に関する記事と、彼が別の作品と写る写真を掲載した。
彼の最初の芸術的才能は幼稚園教諭らによって見出された。しかし小学校では、他の児童はサッカーに興味を示し、家庭教師はしばしば彼の絵に顔をしかめたと言う。
法律の修士号を有し現在ロサンゼルスに居を構えるハムディ氏は、早い時期からファイン・アートにのめり込んでいたとアラブ・ニュースに話した。
「当時、幼稚園の友達は皆体育の授業ばかり心待ちにしていたが、私はアート・クラスが始まるまでの時間を数えていた。イードの際に親戚がくれるお小遣いは(絵の道具を買うために)いつも貯めていた。」
抽象表現が次第に彼の心を掴むようになり、いつかプロの芸術家になることを願い、インスタグラムなどのソーシャル・メディア・プラットフォームに作品を載せるようになった。
「抽象アートは、広い視野を持った興味深い芸術表現だと思う。毎日誰かが一枚の抽象画の中に何か新しいものを見つけ、それ以上のものを感じている。」
しかし、2014年の終わりにハムディ氏は交通事故にあい、人生の展望が全く変わってしまった。
「記憶と痛みに閉じ込められてしまった。言葉で感情を表現することすらうまくできなくなった。完全に打ちのめされてしまったんだ。でも、絵を描くことがこの苦しみから逃れる唯一の方法だと気がついた。」
「不快な出来事が過ぎ去ると、色彩がそれまでとは違う意味をなしてきた。だから僕の色への向き合い方も変わっていった」とハムディ氏はつけ加えた。
公の場で作品を展示することに関して、最初は不安を感じていたが、彼のアプローチに対し展示ホールが拒否したことでその恐れは現実となった。しかし、現在のサウジアラビア社会で起っている様々な改革や、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子やミスク財団などの支援もあり、アートに対する印象は向上し人々の態度も変わってきたと言う。
ハムディ氏の初めての展示参加は2017年のミスク・ヒストリック・ジェッダでのイベントだった。翌年には、作品を通して芸術家が文化的自己主張することを後押しするミスク・アートにも参加した。