
ヘブシ・アルシャマール
リヤド:視聴覚メディア総合委員会ビデオゲーム部門の総監督者であるハッタン・タウィリ氏によれば、サウジアラビアでは2015年以来、約3600本のビデオゲームが審査・分類されている。
タウィリ氏は「セクター全体の発展という観点では順調」だと述べる。
当該部門は、ライセンスや許可の発行、ビデオゲームの内容に対する適切な年齢区分の分類など、サウジアラビア王国のビデオゲーム市場において、二つの立法および規制の役割を担っている。
最近、当該委員会は、国の才能ある人物を見出してその能力を伸ばすべく、中東日本協力センターと共同で、携帯電話用のビデオゲームを開発する4日間のトレーニングコースを開催し、約300人のサウジアラビア人がこれに参加した。
このコースは、低レベルから中レベルのスキルを有するEゲーム開発者が、「効率やレベルを向上させ、単なるゲーム開発者から、ゲームを公開できる段階の独立したゲーム開発者へと引き上げる」ことを目的として設計されたものだ。
元任天堂の開発者であり、Newスーパーマリオブラザーズ、ピクミン3やスプラトゥーンなどの人気タイトルを手がけた渡部健氏を指導主任者として、コース期間中に10名が選ばれ、更なるトレーニングを受けることになる。
タウィリ氏によると、2021年のサウジアラビアでのEゲーム市場規模は約10億ドル相当であり、中東で最も高いとのこと。
タウィリ氏は、「この分野の重要性を考えると、Activision、EAやTake-TwoなどのEゲーム会社に公共投資基金が33億円を投資したこと、PIFがEスポーツ業界で世界最大のESLを買収したこと、そしてビデオゲームのSaviグループが設立されたことは全て、当該業界の規模の重要性を反映するものです」と述べている。
また、Eゲームなどのエンターテインメント分野において年齢区分を設けることは、家族が子どもにとって適切なコンテンツを選ぶために役立つとも述べた。
近年、Eゲームは大きく発展し、家族向けゲームや成人向けゲームなど、その形態も多様化している。
タウィリ氏によると、スポーツゲームは一般的に全年齢(3歳以上)に適する一方、漫画やコミカルな暴力表現のみを含むものは7歳以上と評価される。暴力描写の多いゲームは18歳以上が適切と分類される。
「私たちは、いかなるビデオゲームも禁止することを好みません。特に年齢区分制度とサウジアラビア市場の重要性を理解している企業は、これを高く評価しています。企業は、宗教的侮辱や政治的罵倒など、ゲームが禁止されるような違反行為を避けています」と述べている。
サウジアラビアの年齢区分制度は、世界市場における新しい年齢区分の一つで、アラブ世界や中東地域で初めてのものとされている。2016年8月以降、サウジアラビア王国で販売されるすべてのゲームは、サウジアラビアの年齢分類に従って評価されるようになった。タウィリ氏は、文化的な違いに基づき、世界中のビデオゲームの分類には差異が存在していると述べる。
「分類に共通点が多いタイトルが多いのは事実ですが、文化の違いから、例えばサウジアラビアでは12歳以上とされているゲームが世界では7歳以上とされたり、あるいはその逆の場合もあります」
ビデオゲームの分類は、ゲーム発売予定日の最大18ヶ月前から、開発企業とサウジアラビアの委員会との間で、ゲームに関する情報や対象となる年齢分類などのやりとりが行われる。ゲームの抜粋や画像も委員会に提供される。内容を評価した後、適切な年齢区分が記載された仮承認証が発行される。