


ナシフ・カイードが自身をアラブ文化専門家と名乗ることには理由がある。彼は異なる文化間で効果的に、適切にコミュニケーションを図ることには挑戦が伴うと信じている。彼は何十年間もの間この挑戦を乗り越える手助けをしてきたが、その甲斐あって結果を手にしている。アラブニュースの独占インタビューで、カイードはアラブ人と日本人との間の文化的な類似点やお互いに学びあえること等を含む様々な話題について語る。
日本は非常に尊敬を集めるハイテクな工業国で、アラブ人との間に強い貿易関係を持っています。この貿易パートナーシップは第3次産業革命よりもさらに昔にさかのぼり、両国間の歴史的な貿易ルートに見て取れます。
文明としては、日本人は豊かな歴史と文化を持つ誇り高き民族であり、同時に他の民族や文化に対しても非常に敬意を持っているため、ホスピタリティや名誉、他者受容性等のアラブ文化の価値観ともとても相性が良いのです。
類似点はたくさんあります。尊敬の念、保守性、おもてなしの心、家族の重要性、食・米・魚を愛する心と、それに伴い食を美しくふるまう技、等です。
私たちの生活に深く根付いたアラブコーヒーのふるまい方と同様、日本人にはおもてなしや客人への礼遇の一部としてお茶の文化を持っています。私たちアラブ人の多くが、日本人はイスラム教で教えられるモラルや価値観の多くに従っていると見ると思います。
私たちは忍耐力、また謙虚さや誇り、後ろを見るのではなく前を向く姿勢をもって国が抱える課題を乗り越える方法を学ぶことができます。
戦争以降、彼らの国は国民の生活を向上するために一致団結し、強い国を作ってきました。成長では他の主要国に対しても引けを取らず、世界の舞台に堅固たる立場を確保し、絶望的な苦境の後でも努力とビジョン、忍耐力を持てば国は立ち上がることができるというすばらしいお手本を見せてくれました。
アラブ人も同じことができます。偉大な過去を語り現在に安住するのではなく、世界の舞台で一致団結した主要国になるために、そのときを楽しみにしながら努力を重ねるべきです。
お互いの国をお手本とできる分野のベストプラクティスを共有する「ナレッジ(知識)交流」に主眼を置くイニチアチブを活発に行うとよいと思います。これらのアクティビティーを通して両国が共有する文化や価値観をより深く学ぶのです。また間違ったイメージやステレオタイプの形成においてメディアが時として果たす役割についても話し合うとよいでしょう。
ふれあいやお互いを知るための最高の方法である文化交流や教育プログラム、ビジネスの機会を通じて、私たちはお互いの社会に対する正確な理解を確立する努力をしなければなりません。私たちは共有する歴史や価値観、そしてお互いから学べることもたくさんあります。
私は日本人との文化交流の経験は多数あります。日本人はもちろん時間を非常によく守ることで知られていますが、一方アラブ人はそうではないとも言われます! ですから私は打ち合わせには早めに到着するようにしています。彼らは私よりも後に到着するととても驚き、まるで遅刻したかのように謝ります、遅刻していないのにもかかわらずです。ですから、時間を守るというところが大きいです。日本人は非常に勤勉で、他人の気分を害したり期待を裏切ったりすることがないように細心の注意を払います。
私はここドバイで日本の会社のCEOと働いたことがあり、リーダーとしてアラブ人スタッフの信頼を獲得する方法を理解するお手伝いをしました。その1年後、彼は私を会社の従業員感謝パーティーに招いてくれ、私が職場におけるアラブ文化規範に関するインサイトを提供したことですばらしい結果が得られたと話してくれました。
アラブ人社員たちが賞を受け取りに来たとき、彼は私たちが行うのと同じように握手とハグで迎え、彼らを驚かせました。柔軟性を持ち、時には相手の文化に合わせることがすばらしい関係や結果につながるということを彼は学びました。
そうですね、食は簡単なのです。寿司は元々ハラールですし、翻訳も要りません。翻訳について言えば、言葉の壁は苦労するものです、訳の中で意味合いが失われてしまう場合など特に。私は日本・アラブ間の文化交流にはすばらしいチャンスがあると信じています、人々の間にお互いの文化、食、アート、音楽、言葉に飛び込もうという意思があれば。もちろん文学もそうですね。インシャッラー。