
リヤド/ドバイ :ラジワ・アル・サイフ氏とフセイン・ビン・アブドッラー2世皇太子殿下のヨルダンロイヤルウエディングに注目が集まる中、サウジアラビア人新婦とヨルダン人新郎がどのようなしきたりの結婚式を選ぶのかが気になるところである。
歴史的な結婚を前にして、ここでは2つの文化圏で代々受け継がれてきた結婚祝賀会に目を向ける。
結婚式のしきたりはサウジアラビアの各地域によって異なるが、家族がスダイル出身でリヤドに住んでおり、いずれもナジュド地方にあるため、アル・サイフ氏はナジュドのしきたりに従う可能性が高い。
生まれも育ちもナジュドのアセール・アルホウェイシュ氏は、同地域に古くから伝わる結婚式のしきたりについてアラブニュースに語った。
「Tehwal とは、結婚式の翌日に新郎の家で行われる晩餐会のことです。新郎の家族は、結婚式に出席した人たちをTehwalに招待し、新婦を家族に迎えます」と同氏は説明する。 同様にZowarahも、新婚旅行から戻った後に新郎の家族、もしくは新婦の家族によって催される祝賀会の1つである。
また、新郎が新婦の母親に金や宝石を贈る習慣もあり、シャブカと呼ばれるさまざまな贈り物のブーケに入れて贈られる。
多くの文化的伝統が発達してきた一方で、リヤドの高級イベント代理店ラ・メモリアスのオーナー、アブドルラーマン・マシュブリ氏は、近年いくらかの変化が見られるとアラブニュースに語った。
「現在では、パリやドバイなど国外での挙式を希望する家族も出てきました。予算は100,000サウジアラビアリヤル(26,665ドル)から2,500万~3,000万サウジアラビアリヤルまで幅広いです」
「加えて、血縁関係にある花嫁たちが、場所選びでもデザインのオリジナリティでもなく、同じ晩に2人の結婚式を祝うというユニークさを求める人もいます 」と同氏は言う。
アラブ諸国では、結婚式に先立ち、花嫁がヘナナイトを行うことが多いが、ナジュドの祝賀では一般的ではない。しかし、ヨルダンでは慣習として行われており、アル・サイフ氏と義理の妹になるイマン王女は、それぞれの結婚式の前にヘナナイトの祝賀会を行った。
ヨルダンでは、ヘナパーティーで両家の女性が一堂に会してお祝いし、花嫁の家族からも嫁入り衣装のプレゼントが贈られる。
結婚式当日まで話を進めると、ヨルダンの定番といえば、ザッファ、ザグルータ、ヌクートである。
ザッファは、レバント地方における結婚式の伝統的なもので、約30分続く音楽と踊りから成るライブ行進である。
一座が演奏する伝統的なアップテンポの音楽には、結婚を賛美する歌詞がある。太鼓(ダルブッカ)、ホーン、バグパイプ、時には剣を持った男たちも伝統的な行列に登場する。
また、ヨルダンの結婚式では、ダブケという民族舞踊をプロが踊り、その後にゲストが参加するのが主流となっている。
力強い足踏みをシンクロさせるこの踊りには、さまざまなバリエーションがある。最もポピュラーなのは、列のテンポとエネルギーの両方をコントロールするカリスマ的な即興ダンサーであるlawweeh(ウェイバー)がダンスをリードすることである。
「われわれヨルダン人のザッファはユニークです。曲、ダブケ、ダンスは唯一無二です」と、ヨルダンの企画会社フィーリングズウェディングの創設者であるイヤド・アルベルベイシ氏はアラブニュースに語った。
「これらの伝統は、王室の儀式でもよく見られるものです」と同氏は加えた。
結婚式の間中、女性たちはザグルータという、この地域の結婚パーティーでよく行われる、舌を使った甲高い発声を行う。また、ヨルダンの結婚式では、新婚夫婦に新生活のお金を渡すヌクートというしきたりがある。
食べ物と言えば、ヨルダンの国民食であるマンサフ(大きな肉の塊とヨーグルトソースとライス)が結婚式の定番料理であることは間違いない。
3月に行われたイマン王女の挙式のように王室の結婚式や、一般市民の結婚式では、何層にもなったウェディングケーキを、新郎がその家族から受け継いだ大きな剣で切ることが多い。