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サウジアラビアの詩のルーツが、ヒップホップアーティストの活躍への扉を開く

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27 Jul 2023 08:07:56 GMT9
27 Jul 2023 08:07:56 GMT9

フッサム・アル・メイマン

リヤド: サウジアラビアの持つ詩の強固な伝統が、サウジの野心溢れるヒップホップアーティストが音楽業界で活躍する礎となっている、と草分け的アー存在であるクサイ・ケデル氏はアラブニュースに語った。

「メイマン・ショー」第4シーズンの開幕を飾った大物アーティストである同氏は、アラブニュースが行った貴重なインタビューの中で、地域のヒップホップ業界の才能たちがサウジ全体のヒップホップのレベルを向上させるとの信念を明らかにした。「ヒップホップは今や世界的な音楽ジャンルですが、1973年に誕生したとして誕生からまだたった50年しか経っていません。ヒップホップ文化は世界中で、様々な言語で花開いています。だから中東にもその文化があることは何もおかしなことではありません。何といっても、我々の言語は非常に豊かな言語ですから」とケデル氏は述べた。

同氏はまた、ヒップホップで重要なのは詩的なリズムを創り出すこと、と述べた。「我々は詩の達人です」と同氏は述べ、音楽的才能を持つ者はサウジには今までもいたが、近年になって初めてよい生態系が発達し、それによって開花し世に出ることができた、と加えた。「今起きているのはそういうことです。昔からずっと、この国にも音楽はありました。サウジアラビアにはいつだって豊かな音楽と文化があったのです」と同氏は述べた。

「ですが、様々な浮き沈みがあって、我々は今、ようやくいるべきところにいます。もっとずっと早くにここへくるべきだったのですが、それでもいいこと、いい兆しには変わりはありません、特に新しい世代にとっては。それにしても、ヒップホップに関して言えば、この国にはたくさんのヒップホップの優れた才能がいます」と同氏は加えた。

ケデル氏はアル・ウラー王立委員会傘下のアル・ウラーFMで自身の番組の配信を開始した。「私はずっとラジオに対する愛情、情熱を持っていて、大学時代の1996年から自分のラジオ番組を持っていました。ラジオをとりまく環境が好きなんです。その中で自分ならうまくやっていけるとも思いました。でも実際に、特に人生のこれだけの期間、自分がラジオに出演できるとは思っていませんでした」と同氏は述べた。

ケデル氏は多くのシングル新曲に取り組んでおり、それらは将来的に5つのアルバムとなるかもしれないと同氏は述べたが、楽曲発表のタイミングをうかがっている最中だという。

「いい時期、いい契約、いい仕事仲間が見つかるまでは、シングルを時おり発表する、という状況です。自分の音楽とサウンドに関しては、間違いなく高められてきましたから、本当に自分の肝いりのものは目下発表する予定はないというのが主な理由です」と同氏は述べた。

ケデル氏はまた、今回の作品には自信があるため、満足のいく形で発表、マーケティングできるようしたいと述べた。

ケデル氏は、ヒップホップ業界の数多くの賞賛を受けてきた。TV番組やイベントの司会、俳優業なども行ってきた長いキャリアの中で、もっとも思い出深い瞬間を振り返った。その一つは2017年、同氏がセントラルフロリダ大学の卒業生講演会に出席したフロリダ州オーランドのハウス・オブ・ブルースでパフォーマンスを行った時だ。

「昔、ハウス・オブ・ブルースに通い、Outkast、Musiq Soulchild, Common, Kanyeといったお気に入りのアーティストを観ていたものです。それで、たまたま私が卒業したのが15年前です。ちょうどそれと同時に、ハウス・オブ・ブルースでのショーに私がブッキングされました。私は『うわあ、昔はただの一ファン、観客の中の一人としてあのステージに立つスーパースターを見ていただけだったのに』と思いました。そしてまた、かつてただの前座だった私は今、立役者としてここにいて、私の愛する町、かつて住み、大学を卒業したこの町のみんなが僕のショーを観てくれます」と同氏は述べた。

またケデル氏は、2020年スーダンのハルツームで初めてライブパフォーマンスを行った時のことにも触れた。それは彼の同国初訪問でもあった。「私たちはそこでショーをできないかと何年も模索していました。そしてそれが叶ったんです。ついに私のところに電話がきて、『今こそスーダンにきてショーをやる時だ』と言われたんです」とケデル氏は述べた。

同氏はそこで、スーダンの人々のために作曲し、スーダン人アーティストのアハマド・アミン氏を取り上げた「ブラックファラオ」という曲を披露した。「1度披露すると、彼らは熱狂し、何度も何度もアンコールを求めました」とケデル氏は述べた。

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