リヤド:サウジアラビア航空の新たなブランドアイデンティティの公開は、デザインの変更にとどまらず、進行中のデジタルトランスフォーメーションに沿った同社のアプローチにおける大変革の一環だという。同社の幹部が語った。
サウディアのグループ最高マーケティング責任者ハーレド・タシュ氏は1日、アラブニュースに対し、新デザインは、同社のデジタル推進に向けた取り組みと、準備中の新サービス、新プロダクトの象徴であると説明した。
今回のリブランディングは、発展中のテック産業を同社が取り入れることを意味し、サウジアラビアの幅広い方面への意欲を反映しているという。
タシュ氏は、「ロゴや色の変更は核心ではありません」と述べ、要はサービスを向上させ、新商品を導入する動きなのだと語った。
そして、「当社は、移行を加速させることを強く望んでいます」と言い、「市場のおおむねの反応」に圧倒されているとした。
タシュ氏は、今回のアップデートで同社のデジタルトランスフォーメーションがいかに進むかを詳説した。サウディアは、人工知能を顧客体験に統合した先駆的な航空会社として、ヨーロッパ、中東、アフリカにおいて突出しているという。
「トラベルコンパニオンは、AIを活用したパーソナルアシスタントです。ユーザーがサウディアのアプリにアクセスすると、手でデータを入力しなくても直感的にユーザーを認識し、旅行に関するあらゆる問い合わせに迅速に対応します」とタシュ氏は説明した。
また、サウディアのトラベルコンパニオンボットは、ユーザーにバケーションのおすすめをし、インタラクティブな対話を通して嗜好を理解した上で、一人ひとりに合った提案をするのが特徴だという。
さらに、ユーザーは、トラベルコンパニオンと会話しながらチャットのインターフェイス内で直接シームレスにフライトを予約できるため、会話から離れる必要がない。
AI駆動のボットは、同社のアプリケーションの強化バージョンと同時に、年内にリリースされる予定だ。
タシュ氏は、「デジタルトランスフォーメーションは、単なる身内の業界用語ではありません。当社は、最新のイノベーションを利用して顧客体験を向上させることを目指しています」と述べた。
そのモットーに基づいて、導入すべき、または既存のものについては強化をすべき260の機能とサービスを判断したという。
同社は、VIPミート&グリート・サービスも開始した。 タシュ氏は、この導入により、予約サービスの10パーセント増収を見込んでいる。
また、アラブの文化に合わせ、一部の長時間の路線で女性客が女性客の隣席をリクエストできるオプションを導入した。
タシュ氏は、サウジアラビアの観光部門のかつてない成長は航空会社にとっても有益であるのは明らかで、それも進行中の変革にかかわっていると述べた。そして、サウディアが紅海国際空港に初めて就航した航空会社であるという事実を挙げた。
また、同社は、今後7年間で乗客数を3倍以上に増やす壮大な目標を掲げていることも明らかにした。
タシュ氏は、サウディアのビジョンの移行について述べ、歴史的に同社の目的はサウジアラビア国民を世界につなげることであったが、現在は、サウジアラビアに世界を呼び込むことを重視しているとした。