
日本は繊細な国家の安全保障に関わる企業に関する新たな外資出資規制の免除を拡大すると、政府筋が語った。日本への外国資本の維持が狙いだ。
免除によって日本の株式を大量に所有しているか投資している外国のヘッジファンドと資産運用会社に利益がもたらされ、東京の株式市場の下支えに役立つ。株式市場は安倍晋三首相の「アベノミクス」刺激策の主要な要素である。
11月の国会で通過した法改正では、国の安全保障に関わる分野への外資出資に関する届出の要件を厳しくするものだった。この動きは中国が重要な機密技術を入手可能となるとの国内外の懸念を反映したものだ。
5月上旬の発効が想定されるこれらの規制の下では、国の安全保障に不可欠な12分野の日本企業に1%以上の出資をしている外国の投資家が事前審査の対象となる。現在の幅広い上場企業に適用されている10%のしきい値よりも厳しくなっている。
政府は既にいくつかの免除を定めている。たとえば金融機関には事前審査なしに投資を許可し、また、その他の投資家が機密情報の入手が許可されていないなどの特定の基準を満たしている場合は12分野以外の株式を購入する際に届出を免除するとしている。情報筋がロイターに語ったところによると、政府の現在の計画では、特定の条件に同意する場合にはこうした免除を12分野への外国投資家にも拡大するという。
これらの条件では外国投資家に対し、主要な意思決定力を持つ企業の委員会に参加せず、主な事業の決定に関して役員に対し書面による提案を行わないことを求めると、情報筋は述べた。
情報筋は公的に語ることが許されていないことを理由に、匿名を条件として語った。日本の財務省はコメントを差し控えた。免除の拡大は、規制の強化により日本への投資が難しくなる可能性があるとの一部の外国投資家による懸念に続くものだ。
こうした変更は、3月に公にされると予想される法改正の詳細を規定する政令に記載されるだろうと情報筋は述べた。外資出資への規制を強化するという日本の動きは、米国や一部のヨーロッパ諸国の類似の措置にならったものであり、これにより国の安全保障に不可欠と考えられる産業への出資をより厳しく監視することが可能となる。
日本の外資出資規制の対象となる産業には、防衛、原子力、航空宇宙、公益事業、ガス、サイバーセキュリティ、遠距離通信などの分野が含まれる。日本の上場企業3,703社のうち約500社がこの基準に該当する。
政府は4月に企業の一覧を公開する予定である。
ロイター