
リヤド:サウジアラビアの主要油種であるアラブ・ライト原油のアジア向け公式販売価格はこれまで5カ月にわたって値上げが続いていたが、12月は11月のまま、1バレルあたりオマーン原油とドバイ原油の平均価格より4ドル高い水準で据え置かれる。国営石油会社サウジアラムコが6日、発表した。
また、北西欧州向けのアラブ・ライト原油の1バレルあたりの公式販売価格は2.3ドル引き下げられ、ICEブレントよりも4.9ドル高い水準とした。米国向けの公式販売価格もASCIよりも7.45ドル高い水準のままで11月から据え置く。
今回の価格変更は市場が予想していた通りだった。製油業界は石油精製能力の余力の少なさと供給の先行きが読めない点を慎重に見守っていた。
サウジアラビアのエネルギー省は5日、12月も日量100万バレルの追加的な自主減産を続行し、生産量を日量900万バレル程度に抑える意向を声明で示した。
ロシアも原油や石油製品の輸出の追加的・自主的な供給削減(日量30万バレル)を12月いっぱい続けると明らかにした。
サウジアラビアは4月、2024年12月末まで日量50万バレルを自主的に減産することに合意したと発表。現在行われているのはそれに上乗せした自主減産だ。
こうした産油国の決定を受けて6日、石油価格は上昇した。
ブレントとWTIの先物価格は先週、いずれも約6%下落していたが、6日は反騰した。
INGのアナリストは、石油市場は来年1〜3月期に供給過多になるだろうとの見通しを示した。「それがサウジアラビアやロシアは減産の続行を決断するに足る材料になるかも知れない」という。だが中国の石油精製業界における原油の精製量が減っていることで価格上昇が抑えられていた可能性もある。