
【ワシントン時事】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「景気下振れリスクから守り、強固で持続的、バランスの取れた成長を達成するため、あらゆる政策を活用する」との声明を発表した。感染が世界に広がる中、世界保健機関(WHO)や国際金融機関などと密接に連携すると表明した。
G20財務相・中銀総裁は2月下旬、サウジアラビアの首都リヤドで開いた会合で、新型ウイルスが市場や経済に及ぼすリスクを懸念。感染拡大の動向を注視し、必要な政策対応を講じるとの共同声明を発表した。
その後も感染は発生源の中国から欧州、米国を含む各地に広がった。投資家のリスク回避姿勢が強まったことで株価が急落するなど、金融市場が動揺。実体経済に悪影響を及ぼしかねない事態が憂慮されている。
G20は今回の声明で「景気を支えるために財政や金融措置を含め、さらに行動する用意がある」との方針で一致。国際通貨基金(IMF)、世界銀行などによる緊急融資などの取り組みを歓迎した。
日米欧の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁も3日に電話会合を開き、「あらゆる適切な政策手段を用いる」方針を確認した。G20も断固とした対応を取る姿勢を強調することで、市場の沈静化を図る狙いだ。
JIJI Press