
政府は18日、デジタル行財政改革会議(議長・岸田文雄首相)を首相官邸で開き、特定の条件下で無人運転を可能とする「自動運転レベル4」の事業化を巡り、2025年度に全都道府県の一般道で運行開始を目指す方針を決めた。これに先立ち、今年度から事業者の初期投資に対する財政支援を始める。
自動運転では道路交通法に基づく審査が必要となる。現状は約11カ月かかっているが、重複する審査項目の整理などを通じ、2カ月に短縮する目標も盛り込んだ。
また、一般ドライバーが自家用車を使って有償で客を送迎する「ライドシェア」の全面解禁に関し、法整備を含めた議論の継続を確認。「不断にバージョンアップを図る」とした。ただ、4月から一部地域で開始した限定的な「日本版ライドシェア」の検証作業を終える時期には踏み込まなかった。
河野太郎デジタル相は「さまざまな分野で無駄、不便を除去するため、既存業務を整理し、人材配置を見直す」と強調。デジタル庁の体制を現在の1.5倍に当たる1500人規模に拡充することを提起した。
防災分野では、1月に発生した能登半島地震の対応を踏まえて(1)災害情報を共有するシステム構築(2)マイナンバーカードを活用した避難所運営の効率化(3)住宅の被害認定調査のデジタル化―を重点項目に掲げた。
首相は「政府、自治体一丸となって、全国各地で国民が実感できるよう、デジタルによる社会変革を本格化していく」と述べた。
時事通信