
トヨタ自動車が25日公表した2024年3月期の有価証券報告書によると、昨年4月に会長に就任した豊田章男氏の役員報酬は16億2200万円と、前期の9億9900万円から約6割増加した。同社の歴代役員で最高額という。豊田氏の後任として社長に就いた佐藤恒治氏の報酬は6億2300万円だった。
トヨタの24年3月期の連結営業利益は日本企業で初めて5兆円を超えた。一方で、日野自動車やダイハツ工業などのグループ企業で車の量産に必要な国の認証「型式指定」を巡る不正行為が相次ぎ判明したほか、6月にはトヨタ本体でも不正が発覚。18日開いた定時株主総会では豊田会長の取締役選任への賛成率が71.93%と、前年(84.57%)から約12ポイント低下した。
豊田氏の報酬が大幅に増えたことについて、総務・人事本部の東崇徳本部長は「グループの責任者であることと、対外的な役割も意識した」と説明した。
社外を含む取締役15人の報酬総額は36億9200万円で、10人で総額21億6600万円だった前期から約7割増加した。
JIJI Press