
香港 : 香港を訪問中の坂本哲志農林水産相は16日、香港政府の卓永興副政務官と会談し、福島や宮城など10都県からの水産物の輸入禁止措置を撤廃するよう求めた。卓氏は対話を続けるとしつつ、具体的な対応には言及しなかったという。
坂本氏は会談後、記者団に「日本産食品に対する科学的根拠に基づかない輸入規制の撤廃を求めた」と説明した。坂本氏によると、卓氏は「質の高い日本産食品を歓迎する」と表明。ただ「輸入規制については対話を継続していきたい」と述べるにとどめたという。
香港政府は昨年8月、日本政府が東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を決めたことを受け、「香港の食品の安全と公衆衛生を守るため」として、10都県の水産物の輸入を禁止した。
2023年の日本の農林水産物・食品輸出額は中国本土(2376億円)向けが首位。香港(2365億円)は2位で、このうち水産物が1016億円と、全体の約4割を占めた。
坂本氏はこれに先立ち、香港で開催されているアジア最大級の国際食品見本市を視察した。
時事通信