
【パリ】石油輸出国機構(OPEC)は16日、需要に大きな影響を与えたコロナウイルス拡大抑制対策により、世界の原油市場はかつてないほどの衝撃を受けている、との見解を示した。
OPECは最新の月例報告で、「石油市場は現在、急激かつ極端で、世界規模の歴史的ショックを受けている」と述べた。
OPECは、2020年の1日当たりの平均需要が過去に比べて約680万バレル減少し、4月には最低の日量2000万バレルに減少すると予測している。
この予測は、主要なエネルギー消費国に助言を与える、パリに拠点を置く国際エネルギー機関が15日に発表した予測よりも厳しい数字ではない。
同機関は、4月の需要は日量約2900万バレルに減少し、2020年全体では日量約930MBDになると予測している。
OPECと同盟国は週末に日量約1000万バレルの減産で合意したが、トレーダーらは需要の落ち込みの大きさを考慮すると、石油価格の回復には不十分だと見ている。
OPECはまた、OPEC非加盟国が供給する石油量の予測を下方修正した。現在、年間で日量1500万バレル低下するとしている。OPECは以前、OPEC以外の増産の大半を米国が担っていると予想していたが、今では米国の生産量が日量150万バレル減少することを見込んでいる。
シェール鉱床の利用による米国の石油生産量増加は、豊富な供給が価格を圧迫し、OPECと同盟国が生産を制限せざるを得なくなったため、近年、世界市場を混乱させていた。
コロナウイルスの蔓延を食い止めるために導入されたロックダウンにより、石油需要が急速に落ち込んだことで、原油価格は年初の水準から3分の2下落し、投資にもを与えた。
「こうした制限により燃料消費が落ち込み、製品の在庫が増え、ジェット燃料市場に深刻な打撃を与え、ガソリンの利益を赤字に追い込んでいます」とOPECは述べた。
OPECは、設備投資が13年ぶりの低水準に落ち込んだと発表し「コロナウイルスの影響、それに続く世界的な景気後退、石油需要の落ち込みも、供給の混乱につながるでしょう」と警告した。
AFP