Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

日本経済は課題にもかかわらず改善している 経済再生担当相がWEFで語る

1月21日、世界経済フォーラムにて「Japan Navigates Uncertainty」と題されたパネルに登壇した赤沢亮正経済再生担当相。(スクリーンショット)
1月21日、世界経済フォーラムにて「Japan Navigates Uncertainty」と題されたパネルに登壇した赤沢亮正経済再生担当相。(スクリーンショット)
世界経済フォーラムの「Japan Navigates Uncertainty」パネル。(スクリーンショット)
世界経済フォーラムの「Japan Navigates Uncertainty」パネル。(スクリーンショット)
Short Url:
22 Jan 2025 12:01:52 GMT9
22 Jan 2025 12:01:52 GMT9

マナール・エルバス

ドバイ:赤沢亮正経済再生担当相は火曜日、世界経済フォーラムで、日本政府はまだデフレ脱却を確信していないが、日本経済の将来は明るいと語った。

ダボス会議での「Japan Navigates Uncertainty」と題されたパネルで、大臣は、安倍晋三元首相を始めとする様々な時代の経済について振り返った。

「アベノミクス(安倍首相が主導した経済政策)では、我々は非常に大胆で、財政政策と金融政策をとった。成長規制や規制緩和も行った。当時はあまり円高にはならなかった」と語った。

「岸田文雄首相は新しい資本主義について言及し、これまで削減されてきた人材への投資を企業に促した。その点で、経済はプラスに向かうだろう。今はその時期なのです」と付け加えた。

大臣はまた、名目GDPが600兆円を超え、賃金が33年ぶりの高水準に達したことも紹介した。「企業は貯蓄した資産を投資に回すので、これから経済を成長経済に移行させる」

赤沢亮経済再生担当相。(スクリーンショット)

経済が成長マインドにシフトしているとはいえ、大臣は日本がデフレから脱却したとは確信していないと語った。「私たちは岐路に立っている。過去に日銀は金融規制を行ったが、またデフレに戻った。それは2度あった。デフレからの脱却を宣言した以上、経済は成長しなければならない。30年間デフレだったのだから、デフレから脱却しなければならない」

さらに、日本は自然災害の管理にも力を入れる必要があるとし、危機管理は日本が持つ貿易力を強化するために重要だと述べた。「我々は(自然災害を)認識し、備えなければならない。(また)社会保障も持続可能でなければならない。これらすべてを組み合わせて、新しい日本を創らなければならない。危機管理をしっかりしなければならない」

日本が投資している新技術について、赤沢氏は半導体を拡大したいと語った。「北海道にはナノの新会社がある。半導体のナンバーワン企業であるTSMCは、九州に工場を持つつもりだ」

「半導体は、地域経済を活性化させ、日本企業の国際競争力を加速させる鍵のようなものだ。それだけでなく、(スタートアップのような)ローカルな分野でも革新的でありたい」

彼は、こうした経済拡大は、首都の人口過密のため、東京ではなく地方で起こるべきだと強調した。

「東京一極集中は明治以来の問題だ。人工的に東京にすべてを集約した結果、過密になっている。自然災害にも弱く、通勤時間も長いので住みにくい。この点で、東京以外の人口を人工的に細分化する必要がある」

大臣はまた、経済に対する若者の懸念にも触れ、最低賃金の引き上げに取り組んでいると付け加えた。「日本の若者は、景気が良かった時代を見たことがないと思う。今、私は本当にそれを是正したいと思っているが、最低賃金はあまり良くない」

「彼らの立場からすると、今日より明日がいいとは思っていないと思う。経済的な不安があれば、もちろん若い人たちは希望を持てない……。日本では安心して暮らせる。私は(賃上げを)担当しているので、これは総理から与えられた私の使命です」と付け加えた。

移民政策と経済への影響についての質問に答えた大臣は、円安のために日本は外国人にとって魅力的な場所ではないかもしれないと述べた。

「私が思うのは、(外国人が)日本に来ても、円安のせいで母国に送金できない。外国人にとって、日本は魅力的な国ではないかもしれない。日本に来る人、日本で働く人の環境を良くしたい」

「できるだけ外国人に来てもらいたい。一方で、どれだけの需要があるのかは(判断できない)。業界ごとに不足がある。その中で、入ってくる人の上限を決めなければならない」と付け加えた。

商船三井の橋本剛最高経営責任者は、大臣とパネルを共有した。世界貿易については、ドナルド・トランプ大統領が関税を課しているにもかかわらず、その状態は「柔軟」であると述べた。

「世界貿易の成長については、私はまだかなり楽観的だ。トランプ前政権時代にも米中間の緊張はあったが、中国はアジア諸国に多くのものを輸出し、アジア諸国はアメリカに多くのものを輸出した」

トランプ大統領は、主にメキシコとカナダに関税を課すという話をしているが、日本と中国にも関税を課すという話もしている。赤沢大臣は、アメリカの大統領と関税について話し合うべきだと述べた。

「(アメリカ政府が)関税をどうするつもりなのかは、まだ明言されていない。しかし、過去5年間、日本はアメリカへの投資でトップだった。アメリカの多くの地域に多くの工場を誘致している。(トランプ大統領は)日本に何か言うかもしれないが、我々が行っている投資と貢献の額は(大きい)。もし米中貿易戦争が起これば、我々は多くの準備をしている」

「重要なのは、Win-Winの関係を築いていることだ。我々は(対米)世界トップクラスの投資家だ。これは非常に重要な二国間関係だ。日本は世界の投資にとって大きなチャンスだ。貿易は非常に現実的なものだ…。そのことをトランプ大統領に理解してもらいたい。関税措置については(枠組みを)議論したい。我々はその枠組みに貢献し続ける」

商船三井のCEOは、日本と中国との関係について、日本は主に中国に投資しているが、徐々に世界にも進出し始めていると述べた。

「多くの日本企業が中国に投資しているが、それは実際の生産が中国で行われているからだ」

「すぐにやめるわけにはいかない。中国に集中しすぎるのではなく、インドやアジア諸国、アフリカ諸国でのビジネスを拡大している。しかし、それでも中国は世界最大の鉄鋼、セメント生産国だ」と付け加えた。

橋本氏は、中国との経済関係に関しては、日本は良識的でなければならないと強調した。「地政学的な緊張、特にロシアや北朝鮮のような他国との関係には注意しなければならない。簡単な選択ではない。世界政治で何が起こっているのかを理解しながら、慎重にビジネスを続けなければならない。」

商船三井の最高経営責任者、橋本剛氏。(スクリーンショット)

モンテネグロのミロイコ・スパジッチ首相と、南アフリカ産業開発公社のブシ・マブーザ会長は、日本の関係者とパネルを共有する。前者は以前大阪に住んでいたこともあり、流暢な日本語を話す。

モンテネグロ首相は、「日本は何十年もの間、この困難な時期を通して、確実性、安定性、安全性の島であった。日本はヨーロッパにとって非常に信頼でき、安定した、予測可能な友人であった。数十年にわたるデフレの後、1980年代以来見られなかったようなインフレの兆候が現れている」

「日本では、投資家や大企業がもう現金をため込まないというメンタリティの変化が起きている。投資家や大企業はもう現金をため込むようなことはしない。株主は買い戻されないことを要求するだろう。日本経済は今、実際に非常に大きな意味を持っている」

モンテネグロ首相、ミロイコ・スパジッチ氏。(スクリーンショット)

南アフリカの委員長は、モンテネグロ首相の発言に共鳴した。「日本は安定と平和の島だ。南アフリカに投資している日本企業は、南アフリカにそのような中心的な価値をもたらしている。日本(企業)は投資機会を探す際、長期的な視点を持っているようだ」とマブザ氏は述べ、日本はG20の重要なメンバーであると付け加えた。

「日本の(南アフリカへの)投資は、採取的なアプローチではなく、現場で付加価値を生み出している。私たちはもっとそれが必要だと思う。南アフリカで最も人気のある車のひとつにトヨタがある。南アフリカにはトヨタ車の生産能力がかなりある」

南アフリカ産業開発公社のブシ・マブザ会長(写真提供:南アフリカ産業開発公社)

パネルの司会はフィナンシャル・タイムズ紙のチーフ外交コラムニストが務めた。

特に人気
オススメ

return to top

<