
ロンドン:国際エネルギー機関(IEA)は11日発表した月例石油市場報告で、2025年の需要伸び率予測を下方修正した上で、今年の世界の石油供給が需要を日量約60万バレル上回る可能性があると指摘した。
パリに拠点を置く同機関は、OPEC+が減産解除を拡大し、割当量に対する過剰生産を抑制できなければ、供給過剰はさらに40万バレル/日拡大する可能性があると述べた。
IEAのデータに基づくロイターの計算では、IEAの2月の石油市場報告書は、50万B/D程度の黒字幅の縮小を示唆していた。
IEAは、2025年の石油需要の伸び予測を7万B/D下方修正し、約100万B/Dとした。
この報告書の発表後、原油は値を下げた。サウジアラビア時間午後12時26分、ブレント原油先物は70.85ドルで取引された。
このデータは、OPEC+生産者グループが今年の石油市場のバランスをとる上で直面する課題を浮き彫りにしている。というのも、世界的な貿易摩擦の激化は、堅調な供給増加を背景に需要に影響を与える可能性があるからだ。
IEAは、「我々の石油需要予測を支えるマクロ経済状況は、米国と他の数カ国との貿易摩擦の激化に伴い、この1ヶ月で悪化した」とし、2024年第4四半期と今年第1四半期の需要成長率予測を下方修正した。
供給面では、IEAは、OPEC+が4月に予定されている減産解除後も減産レベルを維持すると仮定した場合、2025年の世界供給の伸びは2024年のペースから倍増し、150万B/D程度になると見ている。
また、OPECは4月のサウジアラビアとアルジェリアの減産解除後、実際には4万B/D程度の原油しか市場に追加しない可能性があるとしている。
「4月のOPEC+の段階的な減産解除による実際の供給増は、名目上の13万8000B/D増を下回る可能性があるが、世界の石油供給量はすでに増加傾向にある」と同機関は述べた。
ロイター