
英投資会社アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)のジョー・バウエルンフロイント最高経営責任者(CEO)は11日、昇降機大手フジテックに対し、企業価値向上のための抜本改革を求めていく考えを明らかにした。持ち合い株式の売却や企業統治の強化を要望。「拒否や無視をされた場合は株主提案も検討する」としている。
AVIは、帝国繊維や東京放送ホールディングスの株主総会で株主提案を行うなど、「物言う株主」として知られる。
フジテックは滋賀県彦根市に本社を置く東証1部上場企業。AVIは3.4%のフジテック株を保有し、これまでも書簡などで経営改善を要望してきた。だが明確な回答が得られなかったとして、詳細な分析と包括的な提言を公表する方針に転換したと説明している。
時事通信のインタビューに応じたバウエルンフロイント氏は、フジテックの製造工程は非効率な上、競合他社に比べて利益率が低く、企業統治も不十分だと指摘。持ち合い株売却による資本の効率化や指名委員会の設置、独立取締役による経営監視の強化などを主張した。
同氏は「対立的なアプローチでなく、建設的な提案だ」と強調。資本や経営に関する提言を12日公開し、「他の株主の賛同も得て、改善を促したい」と語った。
フジテックは、時事通信に対し「株主からの提案については、内容を精査した上で対応方法を検討する」とコメントした。
時事通信社