
シンガポール:生産者グループOPEC+が7月の増産を前2ヵ月と同量に決定したことを受け、原油価格は1バレル=1ドル以上反発した。
サウジアラビア時間の午前9時26分、ブレント原油先物は前日比1.46ドル(2.33%)高の1バレル64.24ドルとなった。米国産ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油は、前場0.3%下落した後、1.66ドル(2.73%)高の1バレル62.45ドルとなった。
両限月とも、先週は1%以上下落した。
石油輸出国機構(OPEC)とその同盟国は土曜日、7月に日量41万1000バレルの増産を決定した。OPEC+として知られるグループが同量の増産を行うのは3カ月目。
同グループは、より大幅な増産を協議すると予想されていた。
オニキス・キャピタル・グループのアナリスト、ハリー・チリンギリアン氏はリンクトインにこう書き込んだ。
石油トレーダーは、411,000bpdの増産はすでにブレントとWTI先物に織り込まれていると述べた。
「イラクやカザフスタンのようなOPEC+加盟国で、約束した割当量を上回る生産を続けている国に対する懲罰が、主要な動機となっている」と、オーストラリア・コモンウェルス銀行は月曜日のメモで述べた。
ロシアのインタファクス通信が木曜日にカザフスタンのエネルギー副大臣の話を引用して報じたところによると、カザフスタンはOPECに対して減産するつもりはないことを伝えたという。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、OPEC+が8月に41万B/Dの最終増産を実施すると予想している。
「スポット原油のファンダメンタルズが比較的タイトであること、ハードな世界的な活動データが堅調であること、石油需要が夏の季節的な要因で下支えされていることから、7月6日に8月の生産量を決定する際に、予想される需要の鈍化が増産を中止するほど急激なものにはなりそうにない」と、同行は日曜付けのメモで述べた。
一方、米国の燃料在庫が低水準であることが、ハリケーン・シーズンが平均を上回るとの予想を前に、供給不安をあおったとアナリストは指摘した。
ANZのアナリストはメモの中で、「より勇気づけられたのは、米国のドライブシーズンの始まりとされる時期に、ガソリンの暗黙の需要が大幅に増加したことだ」と述べ、100万B/D近い増加は、過去3年間で3番目に高い週間増加であったと付け加えた。
トレーダーはまた、価格下落が3月に史上最高の1,349万B/Dを記録した米国の原油生産量に与える影響を注視している。
ベーカー・ヒューズ社が金曜日に発表した週報によると、先週、米国内の石油掘削リグ数は5週連続で減少し、4基減の461基となり、2021年11月以来の低水準となった。
ロイター