
Fahad Alzahrani & Sean Cronin
リヤド/ロンドン: サウジアラビアの金(ゴールド)トレーダーたちは金価格の急騰を報告している。投資家たちが来週導入される付加価値税(VAT)15%への引き上げを前に貴金属を購入しているからである。
最近ディルイーヤでゴールドスークを再開したRiyadh’sで、宝石商のYaseen Ali氏は、訪れる人の数はほとんど新型コロナウィルス感染拡大前のレベルに戻っていると述べた。
「今週の売り上げがこんなレベルになるとは思わなかった」と彼は言う。
「外出禁止令の解除と付加価値税(VAT)15%への引き上げ(7月1日から開始)の両方によってマーケットが動いたのだろうね」とアリ氏は付け加えた。
新型コロナウィルスの感染拡大は世界中で小売業者に甚大な影響を与え、ジュエリー部門への影響は容赦なかった。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、金のジュエリーの需要は第一四半期、前年と比べて39%急落した。
市場が不安定な中、人は安全な投資を求めるので金投資の需要は高い一方で、ビジネスのジュエリー部門は、金の購入に関連する結婚式やその他お祝い行事がないことや、消費者マインドの低下に、もっと影響を受けるのです。
リヤドの宝石商Ibrahim Awadh氏は、売り上げは今週著しい改善はあったものの、ロックダウン前よりも低い水準だと考える。
「そうだね、今週はたくさんゴールドマーケットに来てくれた客を見たけど、売り上げはまだ今年の初めより低い水準だ」と彼は言う。
「外出禁止令の解除で、数週間のうちもっと結婚式が増えることを期待するよ。そうすれば金やジュエリーの売り上げが伸びるだろうから。まだ50人を超える人が集まる大きな結婚式は禁止されているけれど」と彼は付け加えた。
サウジアラビアは新型コロナウィルス感染拡大と原油価格の低下を受け、政府の歳入を増やすため、7月1日から付加価値税(VAT)を3倍に引き上げる。水曜日から価格が上がるので、その期限が迫り、ジュエリーを含めた高額商品の購入が増加した。
世界中の金の投資家がここ数週間で購入を増やした。経済大国での新型コロナウィルス第2波を恐れ、金の現物と貴金属に特化した上場投資信託の購入を促進したためである。
金地金価格は今週1%以上上昇し、水曜日、1779ドル以上という過去8年間の最高値に近づいた。3月末までにドル建て金額で22%となった。
「金はいつも中東の投資家の間で話題になってきた」とInvesco EMEAセールスディレクターのAlessio Cirillo氏は述べる。
「たいていの投資家はインフレーションや経済の不透明感の高まりに対する防衛策として金を買う。資産価値の上昇を狙っている投資家もいる。投資家は金に注目を集める流動性のある投資商品を求めるので、世界的に、金ETF(上場投資信託)は実績流入量を記録しているのだ」