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未来の車のビジョンを示す東京モーターショーにゴーン氏の姿はない

2019年10月23日に東京で開催される東京モーターショーでスピーチをするトヨタの豊田章男社長。(AFP)
2019年10月23日に東京で開催される東京モーターショーでスピーチをするトヨタの豊田章男社長。(AFP)
25 Oct 2019 02:10:03 GMT9

東京

今週開かれる東京モーターショーは多くの未来的なテクノロジーであふれているが、そこに自動車業界で最も大きな影響力を持つ1人である日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の姿はない。

2018年11月にゴーン元会長が会計上の不正行為の疑いで逮捕されて以来、日産の売上と利益は大幅に減少している。

水曜日に行われた報道陣に対するプレゼンテーションで、2人の日産の幹部が日産自動車ブースに展示された電気自動車を宣伝した。ゴーン氏は去ったが、彼のレガシーは、20年近くこの会社を経営した期間に彼によって発揮された多くのイニシアチブに明らかに存在していた。

同社が、1年近くリーダーシップの混乱から回復するのに苦労している間、ライバルたちは前進している。

この東京モーターショーは、エコ燃料電池やスクーターのような個人移動装置などといった、自動車業界に間もなく導入されるモビリティ技術の一部を紹介する機会を自動車メーカーに与える。

このショーでは、バーチャル・リアリティ・ショーやロボットによるスポーツパフォーマンスも行われている。子ども向けには、レゴ、ミニカー、ドライビングゲーム専門のセクションも用意されている。

トヨタ自動車の豊田章男社長が中心となって、「モリゾウ」という名前の彼に似せたアニメキャラクターで最初に登場した。

「私たちは人々を第一に考えます」と豊田社長は、未来都市を思い起こさせるようなデザインの巨大なステージに立って言った。

豊田社長は、同社は「人の力」に重点を置き、新しいモデルに加え、エコ通勤、モバイル充電、ロボット工学や人工知能を使って車の人間をつなぐといったサービスを提供すると述べた。

 

 

本来の東京モーターショーの主な目的は、日本の消費者を魅了することだった。ワールドプレミアは通常、デトロイトやロサンゼルスなどの米国のモーターショーで行われる。しかし、すべての主要な日本の自動車メーカーは、広大なカラフルなブースを構えていた。

ゼネラルモーターズやフォード・モーターなどの日本での売り上げがあまりよくないアメリカの自動車メーカーは、通常ショーには参加しないし、今年もそうだった。より人目を引く外国からの参加者の中には、日産の提携企業であるフランスの自動車メーカー、ルノーが見られ、同社のブースは日産の正面に位置していた。

横浜に拠点を置く日産自動車で新たに任命された内田誠CEOと、先月自らの金融不祥事で辞任した前任者の西川廣人氏は、メディアプレゼンテーションには出席しなかった。

日産の関係者によると、内田氏は正式に新しいポストに着手しておらず、日産の中国合弁事業をまだ担当している。同氏の後継者はまだ決まっておらず、今年中にすべてが行われるかどうかは不明だという。

今年のモーターショーで、日産は2つのコンセプトモデルの電気自動車を導入した。1つはスポーツユーティリティビークル(SUV)、もう1つは日本で「軽」として知られる小型車で、同社幹部によると間もなく商品化されるという。

日産は電気自動車の先駆者であり、『リーフ』と呼ばれるハッチバックで業界をリードしている、と研究開発担当副社長の中畔邦雄氏は語った。 日産はいままでに約43万台もの『リーフ』を販売してきた。

チーフ・デザイナーのアルフォンソ・アルベイザ氏もステージに上がり、日産のモデルがいかに未来的な流線型を誇り、彼が「魅力的」と呼んだ形が日本文化の特徴であり、明るい未来を強調しているか主張した。「多くのイノベーションがこれほど小さな箱に詰まっているのです」と彼は小さなIMKコンセプトカーについて熱く語った。

日産の幹部たちは、「ハンドオフ運転」や「自動駐車」などの新しい技術を市場に投入する計画も強調した。

「私たちは電気化のみで成長しようとしているのではありません。次世代の運転支援技術についても大きな視野で考えています」と、アルベイザ氏は述べた。

日産のブースにある巨大なスクリーン上に繰り返し再生されていたのは、テニス界のスーパースター、大坂なおみ選手の動画だった。彼女は日産と契約を結んでいる。

「ちょうど一年前、世紀の番狂わせがありました」と、大坂選手のグランドスラム大会での勝利に言及したセリフが流れた。

1990年代後半に日産の壮大な経営再建を託されルノーから派遣されたゴーン氏が突然いなくなってから、日産は時おり指導者を無くし当てもなくさまよっているかのようだった。

ゴーン氏は無罪を主張している。同氏は、拘留を続けるべきだと主張する検察官との数ヶ月にわたる劇的な戦いの末、保釈された。東京地検によると、同氏は将来受け取る報酬を隠蔽するために金融文書を偽造し、個人的な利益を得る目的で実業家たちに疑わしい支払いを行ったという信託違反の疑いで、おそらく来年には実現される裁判を待っている。

ビデオテープの声明とコメントの中でゴーン氏が主張したのは、日産の日本の幹部たちはルノーと合併することにより日産がその独立性の一部を失うかもしれないという懸念から、彼に対して陰謀を企てたということだった。

日産は今年初め、コストを削減し経営の建て直しを実現するために、世界で1万2500人、つまり全従業員の約9%を削減すると発表した。

日産のトップのリーダーシップの再編とガバナンス強化はもっと早く行われるべきだったとアナリストは分析する。

ミシガン大学のビジネス法の教授でありガバナンスの専門家であるCindy Schipani氏によると、こうした深刻な問題によって会社全体を通してマネージャーや従業員に否定的なシグナルが送られ、隠蔽を可能にすることで、品質の低い製品が生み出されたり、競争市場で利益を損なったりする結果につながるという。

「要するに、コーポレート・ガバナンスには誠実なリーダーシップが必要だということです。さもなければ、会社を下降スパイラルに陥れる可能性があるのです」とSchipani氏は述べた。

(AP通信)

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