
ドバイ:アラブ首長国連邦中央銀行は、各銀行の資本が充実しているため、銀行部門はどんなに大きな打撃にも耐えうると、火曜日に発表した。連邦内での信用指標の悪化が予測されるにも関わらずの発表だった。
格付機関のムーディーズは月曜、コロナウイルスによる危機と、原油価格の落下という2つの難題によって、原油の生産元であるペルシャ湾岸地域の銀行の利益に、厳しい影響が及ぼされるだろうと述べた。
UAE中央銀行は声明の中で、コロナウイルスによるパンデミックが銀行に難題を突きつける一方で、「我々のストレステストによれば、UAEの銀行部門は、どんなに大きなマクロ経済的なショックにも耐えうると実証されている」と述べた。
UAEの銀行の自己資本比率は3月末時点で16.9%、適格流動資産比率は5月末時点で16.6%となっており、「規制上の最低基準を優に上回っている」とムーディーズは述べている。
ムーディーズは月曜、湾岸諸国において、貸倒引当金を繰入れる銀行が急激に増加するとの予想を、また、景気の後退が、貸付金利や手数料によって銀行の得る収入に打撃を与えるとの予想を発表した。
UAE経済の重要な部門は、ウイルス封じ込め政策のためにここ数ヶ月間でほぼ足踏み状態になっているが、不動産など他の部門は何年にもわたって低迷している。
火曜の別の発表で、UAE中央銀行は、コロナウイルス危機の中で、UAEの不動産部門は連邦内の銀行にリスクを引き起こし続けるだろうと述べただけでなく、「不動産開発業者の財政業績が悪化するだけでなく、需要と供給が絶えず不均衡になる」とも述べた。
また、UAE中央銀行は、コロナウイルスの蔓延により銀行が困窮する可能性があり、貸付能力が弱まることが予想されると警告した。