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トルコリラが史上最安値に暴落してもなお、アンカラはIMFの援助を避ける

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09 Aug 2020 09:08:39 GMT9
09 Aug 2020 09:08:39 GMT9

アラブニュース

  • もし政府が援助を求めることになったとしても、IMFがトルコの海外資金調達ニーズを十分に満たすことはないと、アリ・ババカン元財務大臣は言う

イスタンブール:トルコリラがドルやユーロに対し史上最安値を更新しているにもかかわらず、アンカラはこれまで国際通貨基金(IMF)に援助を求めることに抵抗してきた。

その代わりに、地域的な同盟国カタールとのスワップ契約の拡大以外に外国からの援助を受けることなく、迫りくる決済残高不足を何とか切り抜けることを願っている。

5月下旬、トルコは枯渇した外貨準備に対する救済策として、カタールとの既存の現地通貨スワップ契約を3倍の150億ドルに拡大した。

IMFからの援助を求めることは最後の手段となるであろうが、そのための事実上の前提条件はすでに整っている

木曜、リラはありがたくない節目を達成し、ドルに対してその価値を年初以来20%近く失った。

しかしリラは長い間、国内政治に対する担保となってきたため、専門家たちはIMFに援助を打診する政治的コストは、解散総選挙の憶測の渦中にあるトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領にとって、より高くつくことになるだろうと指摘する。

ロンドンのピクテ投信投資顧問でシニアエコノミストを務めるニコライ・マルコフは、アンカラがIMFの融資を受け入れることにこれまで乗り気でなかったことを考えれば、それは最後の手段としての選択肢になるだろうと考える。

「アンカラがただちに交渉のテーブルにつくことはないが、もし国内経済政策が正しい方向に調整されなければ、今年後半に避けられない選択肢となる可能性があると思う。これは実際のところ、同国のマクロファンダメンタルズを改善し、中長期で投資家の信頼を回復するための、最適な政策の選択肢です」と、彼はアラブニュースに語った。

トルコ経済は今年、ここ10年以上で初めて縮小することが予想されており、その5%はコロナウィルスパンデミックの影響が原因である。

しかし、ロンドンのメドレー・グローバル・アドバイザーズでシニアアナリストを務めるナイジェル・レンデルによれば、エルドアンがIMFに連絡する可能性はほとんどないという。

「それは政治的な自殺行為になるかもしれません。彼はトルコ経済への外国の『干渉』には完全に反対しています」と、レンデルは述べた。

レンデルによれば、より可能性が高い選択肢は、徐々に資本規制を強め、リラと外貨との交換を制限することだろうという。

エルドアンは、IMFの援助はトルコにとって選択肢ではないと約束してきた。このワシントンを拠点とする機関に頼ることが、自分への支持を弱めるかもしれないと恐れているためだ。しかしIFMの代わりに米国連邦準備銀行とスワップ取引を行うことは、米国との関係を修復する手段としても、可能性のある選択肢とアンカラは考えている。

エルドアンの元経済顧問で、最近離党して自身の政党DEVAを立ち上げたアリ・ババカンは、意外にもブルンバーグのインタビューを受け、「もし政府が援助を求めることになったとしても、IMFがトルコの海外資金調達ニーズを十分には満たすことはなく、他の中央銀行との通貨スワップ契約が必要になるだろう」と述べた。

しかしババカンによれば、「徐々に好戦的な傾向を強めるトルコの外交政策が、そのような契約をより難しくしている。口論している国に輸出し、何事もなかったかのようにスワップ契約を依頼するなどという話はあり得ない」

アンカラは金融政策に対する代替手段を使い果たしており、中央銀行の総外貨準備高は今年、810億ドルから510億ドルへと縮小した。そのため専門家たちは、もしIMFとの一切の接触を完全に拒否することを断念すれば、トルコにとって利益になるだろうと述べる。

ユニオン・インベストメントでシニアポートフォリオマネージャーを務めるセルゲイ・デルガチェフは、もしトルコ政府がIMF当局者と会う意思を示すだけでも、トルコの資産に対する最初の前向きなセンチメントにつながるだろうと考えている。

アリ・ババカン

 

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