
モスクワ:石油生産国で構成されるOPEC+グループの一部の加盟国は、5月から7月の間の過剰供給を補うため、1ヶ月にわたって231万バレル/日(bpd)の生産を追加で削減する必要があるかもしれないことを、ロイターの確認したOPEC+の内部報告書が示している。
OPEC+で合意された目標値を上回る過剰供給は、8月と9月の間に埋め合わせる義務があると、報告書は述べている。
OPEC+の情報筋によれば、もし追加の減産期間が1ヶ月以上に広げられれば、一日あたりの減産量は231万バレルよりも少なくなるという。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどその他の生産国から成るOPEC+は、5月に共同減産量を記録的な970万bpdに引き上げた。その後、今月は770万bpdへと徐々に引き下げている。
4月、コロナウイルスパンデミックの影響が空路および陸路での旅行や、世界経済のその他の分野に打撃を与えたため、指標石油価格は1バレル$16を割り込んだ。
未だに続くウィルスの拡散は、石油需要回復の見通しを現在も脅かしている。
OPEC+の報告書は、5月、6月、および7月の毎月の過剰供給によって合計231万bpdが生産量に上乗せされたことを示した。この数字は、同期間の日々の過剰生産量の平均値とは異なる。
「同期間の実際の月間過剰供給量はもっと大幅に少なかった」と、あるOPEC+情報筋は述べた。
「5月は約130万bpd、6月は50万bpd、7月も50万bpdだった」と、別の情報筋は言う。
合計すると7,000万バレルとなり、大型のスエズマックスタンカー70隻に十分積み込める量だ。
報告書は、OPEC+が2020年の石油需要を、前回の予想よりも10万bpd多い910万bpdの落ち込みと予測していることを示す。2021年には700万bpdの増加を見込んでいる。
しかし報告書は、より長期化した感染第二波が今年後半に欧州や米国、インド、中国を襲う別のシナリオも提示する。
このシナリオに基づけば、需要は2020年に1,120万bpdの落ち込みと予測され、第4四半期のOECD商用石油在庫は、最近5年の平均を2億3,300万バレル上回ることを報告書は示した。
2021年の在庫量は、最近5年の平均を2億5,000万バレル上回る水準に達するかもしれない。
データによれば、OPEC加盟国の中でも特にイラクとナイジェリアが最も削減量を順守しておらず、6月に自主的な追加減産を行ったUAEでさえ、5月~7月の間に約50,000bpd以上を過剰に生産した。
非OPEC参加国の中ではロシアとカザフスタンが、同3ヶ月間にそれぞれ累計28万bpdおよび19万bpdの過剰生産だった。
ロイター