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ソフトバンク、ウィーワーク失敗後の新投資戦略を発表

29 Oct 2019
Updated 30 Oct 2019
29 Oct 2019

フランク・ケイン

ウィーワークのIPO失敗は、ビジョンファンドとソフトバンクにとって経済的打撃を意味していた。

ソフトバンク・ビジョンファンドはまた、サウジアラビアでのスタートアップ企業と雇用創出への支援を進めることに意欲を見せる。

ウィーワークの失敗とウーバーの市場における業績不振を受けて、世界最大のスタートアップ投資機関であるビジョンファンドは、ガバナンス態勢を引き締め、新規株式公開(IPO)のペースを減速させる。アラブニュースが詳細を伝える。

また、サウジアラビアのスタートアップ企業の育成と雇用創出への支援も進めていく決意を示した。ビジョンファンドは、サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)とパートナーシップを組んでいる。

今週リヤドで開催される「未来投資イニシアチブ(Future Investment Initiative)」会議に先立って行われた独占インタビューで、1000億ドルの資金を運用するソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズCEOのラジーヴ・ミスラ氏は、米国拠点のワークスペース会社ウィーワークのIPO中止と創立者アダム・ニューマン氏の退任から教訓を学んだと話した。

「創業者の誠実性が重要だと考えています。ウィーワークは、IPOへの準備がまだ整っていませんでした。ポートフォリオ企業は、もう少し時間をかけて育てた方が良い場合もあります」

孫正義氏率いる日本の巨大企業ソフトバンクが、数十億ドルをかけてウィーワークの救済に乗り出したことで、ニューマン氏は会長の座を退き、高い議決権株式を手放した。

エキセントリックな個性と、9年前に自らが創立した会社の経営失敗で批判を浴びたニューマン氏だったが、ウィーワークの経営権を明け渡すことで最高17億ドルを手にする可能性がある。

ソフトバンクは、ニューマン氏と1億8500万ドルで4年間のコンサルタント契約と非競争契約を結び、5億ドルを融資、ニューマン氏の持ち株を買い上げることを提案している。

ウィーワークの失敗により、ビジョンファンドのポートフォリオ企業は全て、ガバナンス態勢の見直しが図られる。「私たちは、全てのポートフォリオ投資に関してガバナンス構造の強化を進めています。ひとつの例外もなしに、方針と手順の順守を徹底させます」と、ミスラ氏は語った。

問題はあったにせよ。ビジョンファンドはウィーワークの長期的な潜在性には肯定的だ。不動産市場や人々の働き方を大きく変化させる独特な国際企業としての価値を見出し、新たな経営陣の下発展するだろうと期待を寄せる。

だが、ウィーワークのIPO失敗は、ビジョンファンドとソフトバンクにとって経済的打撃を意味する。

始めの頃は470億ドルの企業価値を誇っていたウィーワークは、現在80億ドルと評価されている。

株式の決済が成立すれば、ウィーワークの80%はソフトバンクとビジョンファンドが所有することになり、中止されたIPOで得られるはずだった資金の代わりに数十億ドルの資本注入を受ける。

来月東京で発表されるソフトバンクの第3四半期決算報告で、ビジョンファンド投資の価値は引き下げられるだろうと、アナリストたちは予測している。だが、投資全体の価値は前回6月末の決算で200億ドル増加していることから、まだ余裕があると見られている。

ソフトバンクは、一部のビジョンファンド投資家の持つ優先株の利息を支払うために現金を調達する必要がある。中東からは、PIFとアラブ首長国連邦のムバダラが大きな投資を行っている。ミスラ氏は、そのための資金源はあるとしている。

「第一のビジョンファンドへの出資額は1000億ドルですが、これまでのところそのうちの800億ドル前後が投資されており、まだ使われていない資本能力があります。残高は、主に既存のポートフォリオ企業への『追加』投資と、限られたパートナー(投資家)が持つ優先株への利息など債務の支払いに充てられます」

株式公開にとって市場は厳しくなっており、それがウーバーの困難な市場デビューへとつながったこともあり、ビジョンファンドによるIPOのペースはこの先減速するとみられる。だが、ソフトバンクのラジーヴ・ミスラ氏はいずれまたIPOが行われることに自信を見せる。

「私たちはまだ、投資サイクルのかなり初期段階にあります。株式公開は当然のことながら成長をもたらします。時が来れば、必ず実現するでしょう」。腫瘍遺伝子解析で昨年IPOを果たした米国のガーダントヘルスは、長期的な成功のモデルとみなされている。

製薬会社ロイヴァントも、優れた経営で現金を生み出す企業として、将来IPOにふさわしいだろうと、ミスラ氏は指摘する。米国を拠点とするロイヴァントは最近、日本の住友製薬と30億ドルの契約を結んだ。

ビジョンファンドは、創立から最初の2年間で64億ドルの利益を投資家へもたらした。その中には、米国のテクノロジー・グループ、エヌヴィディアの総利益29億ドルとインドのEコマース、フリップカートの利益13億ドルが含まれる。

ソフトバンクは、ビジョンファンド2の創立を進めており、その予算はビジョンファンド1を上回る可能性がある。

ビジョンファンド2は投資家から1080億ドルの出資予定額を受けているが、PIFとムバダラは今のところこれに参加していない。

「PIFとのパートナーシップはビジョンファンドやウィーワーク、ウーバーだけに留まりません。PIFとムバダラとの話し合いは建設的で、現在も進行中です」と、ミスラ氏は言う。

ソフトバンクのポートフォリオ企業のうち、建設業のカテラやホテル事業のオヨなど約14社が、サウジアラビアでの事業設立または拡大を検討している。

「ビジョンファンドがサウジアラビア王国で目指すのは、財務実績以上のものです。サウジにおけるポートフォリオ企業の事業拡大を支援する集中的なプログラムを提供し、既にその成果として、会社を設立して経済発展と雇用創出につながっている例があります」と、ミスラ氏は語った。

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