
Faris Alrushud リヤド
サウジアラムコは、エネルギー需要が変容する世界におけるエネルギーリーダーとして、効率的なエネルギー解決策を見つける役割を担っている。
先月9月、サウジアラムコと日本エネルギー経済研究所(IEEJ)はサウジ基礎産業公社(SABIC)と協力し、ゼロカーボン発電用のブルーアンモニアをサウジアラビアから日本へ初めて出荷した。
出荷したのはハイグレードブルーアンモニア40トンである。
In a step towards zero-carbon power generation, #Aramco partnered with #Sabic and the Institute of Energy Economics in Japan to produce and dispatch the first blue ammonia shipment from Saudi Arabia to Japan.
— aramco (@aramco) September 27, 2020
世界初のブルーアンモニアの出荷は、エネルギーリーダーであるアラムコが、炭化水素が持つ低炭素の水素およびアンモニアの信頼性の高い供給源としての潜在力を披露する重要な機会である。
これを達成したことで、同時にサウジアラビアと日本の素晴らしいパートナーシップを強調することとなった。
サウジアラビアと日本のブルーアンモニア供給ネットワークは、フルバリューチェーンとなっている。これは、炭化水素から水素を取り出しアンモニアを合成するというプロセスと、同時にそのプロセスから発生する二酸化炭素を回収するプロセスを含む。
ブルーアンモニアは日本にとって環境と経済のバランスを保ちつつ、ゼロカーボンエミッションを達成する目標のために不可欠である。ブルーアンモニア3,000万トンを発電に使用すれば、日本の発電量の約10%を占められる。
日本は既設の発電所でブルーアンモニアを混焼することから始め、将来的にはブルーアンモニア100%の専焼に移行することとなるだろう。
このような国際的なパートナーシップはサーキュラー・カーボン・エコノミーのコンセプトを実行するのに極めて重要であり、現在のG20議長国サウジアラビアが支持している。
全世界に拡大したサーキュラー・カーボン・エコノミーのコンセプトの中に幾つかの道筋がある中、これはそのうちの1つを強く示してもいる。この枠組みでは、排出される二酸化炭素を大気中に放出するのではなく、排出の削減、除去、再循環、再利用を行う。
日本のように、地質上の制約から二酸化炭素貯留(CCS)や石油増進回収法(EOR)を必ずしも活用できない国もある。しかし、カーボンニュートラルなブルーアンモニア/水素はこのような不都合を解消する助けとなる。
世界のエネルギーシステムにおいて、水素が果たす役割に対する期待が高まる中、この出荷の発表が行われた。 アンモニアは3つの水素原子と1つの窒素原子からなり、世界が直面するエネルギー需要の増大に対し、信頼性があり、経済性が高く、持続可能な方法で応えることができる。
サウジアラムコによると、輸送に伴う課題は克服され、プロセス中に回収された二酸化炭素30トンはSABICの施設の1つでメタノール製造用の原料として用いられ、別の20トンはアラムコの油田で石油増進回収のため利用される。