
ニューヨーク:米石油大手エクソンモービルとシェブロンは、米国シェールプロジェクトでの投資増によって生産量が増えたにも関わらず原油安が重しとなり、第三四半期に減益を発表した。
これら2社は、ペルム紀盆地へ多額の投資を行っている。ペルム紀はテキサスとニューメキシコに位置する、シェールが豊富な地域だ。新技術によって発展中の新しいシェール資源の収益性が高まったことで、この地域は大きな注目を集めている。
米国トップ2を占める石油企業のエクソンとシェブロンは、これらの取り組みにより、9月30日に終了した四半期の全体ガス生産量を増やすことに成功した。
だがその結果は、世界経済減速の兆候が供給過剰への不安を煽る中、3ヶ月の間に起こった原油価格の後退によって打撃を受けた。
米国の石油価格は、四半期中ほとんどの期間、前年から15米ドル安の1バレル50米ドル〜60米ドルで取引されている。
エクソンは、昨年同時期から49.2パーセント下がる32億米ドルの四半期利益を発表した。収入は15.1パーセント減少し、650億米ドルとなった。
CEOのダレン・ウッズ氏は同社のペルム紀盆地における増産は予定より早く進行し、「長期的成長戦略において、当社は素晴らしい進歩を遂げています。」と語った。
シェブロンでは、純利益は2018年同時期を36.2パーセント下回る26億米ドルとなった。収入は17.9パーセント下落の361億米ドルだった。
「第3四半期の収益とキャッシュフローは堅実でしたが、昨年の大変優れた結果からは減退しました。」とシェブロンCEOのマーク・ワース氏は述べた。
「下落した原油と自然ガスの価格が、昨年第3四半期から3パーセント増となった石油換算生産量を上回る影響を及ぼしています。」
なお金曜には、ロイヤル・ダッチ・シェルが250億米ドルの自社株買いプログラムに遅れが生じる可能性を表明し、アナリストから噴出する批判を浴びた。この動きは同石油大手企業の信頼性を傷つけるものだった、と一部が語っている。
世界で2番目に大きい石油とガスの上場会社であるシェルの株価は、木曜に4パーセント以上低い値で終了。これにより市場価格の100億米ドルが帳消しとなった。
同石油大手は、予想より堅調な第3四半期利益をそれ以前に報告していた。しかしCEOベン・バン・ベアーデン氏による株主還元に関する警告が、それに陰を落とす結果となった。
「広まっているマクロ経済の衰弱と困難な見通しが、25パーセントへのギアリング削減ペースと、2020年タイムフレーム内の自社株買いプログラム完了について、否応なく疑念を生んでいます。」とバン・ベアーデン氏は語った。
「2020年末までの250億米ドル株買い戻し計画は、CEOによって『当然の声明』として知らされました。同意しますが、それによって予測可能な、私たちからすれば不必要な影響がもたらされました」UBSアナリストのジョン・リグビー氏はメモ内で述べた。
リグビー氏は、そのコメントは「長く苦しんでいる投資家たちをさらに憤慨させるでしょう。」と語る。リグビー氏は、シェルに関して「買い」推奨を保持している。
シェルは、より大規模なライバル企業のエクソンモービルを抜いて2018年最も利益を上げた石油大手だ。この英蘭企業は、費用削減と株主還元の増額公約以来、近年多くの投資家が好む選択肢となっている。
投資家への支払いを引き上げるため、シェルは2021年から2025年の間に1250億米ドルを配当および自社株買いに投入する計画だ。
パーンスタインのアナリスト、オスワルド・クリント氏は、バン・ベアーデン氏の姿勢はあまりに慎重過ぎると語った。
「シェル買いを繰り返して言うことは、現在壁に向かって話すようなものであるのは間違いありません。2019年の上位推奨銘柄の一つには、ダメージでした」とクリント氏はメモに書いた。