
日銀の中村豊明審議委員は26日までにインタビューに応じ、新型コロナウイルスの感染拡大について「収束すると思ったが(現在の)『第3波』は結構大きい」と警戒感を示した。その上で、日銀が3月以降に導入した企業の資金繰り支援など一連のコロナ対策は「(2021年)3月で終わらせるのは難しい状況」と述べ、期限の延長を検討する必要があるとの考えを明らかにした。
コロナ対策の拡充については、「今はそこまでの必要性は感じていない」とする一方、「経済は大きなことが起こるとすごく変わる」とも指摘。感染再拡大などの状況に応じ、柔軟に検討する姿勢を示した。
日銀は今月、経営統合などを通じて経営基盤強化に取り組む地域金融機関に対し、当座預金の金利を上乗せする政策を発表した。中村氏は「(必ずしも他の金融機関と)統合しなくてもいい」と述べ、緩やかな連携なども含めた地域金融機関の経営効率化に期待を示した。
景気や物価の情勢については、「(コロナに対する)心の耐性が出てきて、経済活動は徐々に再開し始めた」との認識を示した。金融環境は「各国と同様に(日銀も)金融政策を積極的に進めており緩和状態が続いている」と分析。コロナ収束後も含めた金融政策の課題としては、「構造改革が滞ることのないようマクロ経済環境を下支えすることが必要だ」と強調した。
JIJI Press