
ニューヨーク—- 世界株式市場が月曜日、世界記録を達成して月末を迎えた。ワクチンを中心とする来年の経済復興の見通しと中央銀行によるさらなる刺激策が、コロナウイルス・パンデミックの爆発的な広がりに対する緊急の懸念をそいだからだ。
11月の13%上昇の記録で世界の株価が6.7兆ドル上昇(1分あたり1億5,500万ドル)した。
それと同時に、石油、工業製品、その他のリスクアセットも上昇し、新興市場の通貨がほぼ二年で最高の利益をあげ、一方、ドルや金などの安全牌は下落した。
「市場に関しては非常に、非常に強い月でした。特に株式についてですが、債券についても同様です」とラボバンクのマクロ戦略責任者、エルウィン・ド・グルート氏は話した。
ワクチンの実践的な開発と発売の迅速さがことを進めるための鍵となってきた。
「そしてこの市場の勢いは中央銀行の流動性を大きな支えとして依然として続いています」とド・グルード氏は述べた。欧州の中央銀行が来月さらに刺激策を提供することになっているため、「史上の見通しはどうやら… 悪くなることなんてあるでしょうか」。
MSCIの世界株価指数はアジアの緩やかな下降と欧州の小刻みな値動きに続いて0.39%下降した。多くの欧州市場で市場最高の月となっており、フランスでは21%、イタリアではほぼ26%上昇している。日経株価指数15%の上昇で日本は1994年以来最高の月となった。
ウォール街では、ダウ・ジョーンズ工業株価平均は190.36ポイント(0.64%)下落して29,720.01となった。S&P500は6.4ポイント(0/18%)下がって3,631.95 、ナスダック総合は29.91ポイント(0.25%)上昇して12,235.76となった。
株価の急上昇は安全牌の債券に競争圧力をかけているが、中央銀行によるさらなるアセット買いの見込みが緩衝材となっている。
米国のベンチマークである10年国債は最終的に価格が2/32に落ちたが、金曜日遅くの0.842%から0.8471%になった。
「市場は過剰買いとなっており、短期の取引中止のおそれがあります」とAMPキャピタルのシェーン・オリヴァー投資戦略室長は話した。
「しかし、私たちは今、一年の中でも好調な時期にあり、刺激策とワクチンがあるため、投資家はまだ来年の成長と利益の力強い回復の可能性を差し引いて考えてはいません。」
月曜日にその感覚をさらに推し進める要因となったのは、中国の工場で11月に予想を上回る成果があり、同国の中央銀行が低利率のローンで特別支援を行ったことで世間を驚かせたという調査結果だった。
モデルナは月曜日にワクチン投与の定期的ニュースを発信し、米国の食品医薬品局に対して緊急使用承認の申請を、EUに対しては条件付き承認の申請を行なったと発表した。
12月中旬の次回の会議でさらなる政治的行動をとることが予想される中、準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は火曜日に国会で証言する。
通貨バスケットに対し、ドル指標は2.4%下落後に91.704から動かず、2018年以来の安値となった。
今にも危ない犠牲者の代表は金だ。ほぼ5ヶ月にわたって1オンスあたり1,769ドルに落ち込んだままであり、11月には5.6%下落した。
これとは対照的に、石油は、ワクチンによって来年は旅行や移動が再開されるとの期待から、30%弱上昇している。
ロイター