
著:原田武夫
アラブニュースジャパンへの特別寄稿
東京:ミャンマーが長年の軍事政権から脱却しつつあった2019/20年、日本企業はミャンマーに7億6800万ドルを投資した。軍が再び国を支配し、厳しい制裁を受ける可能性がある今、その投資はリスクに晒されている。
ミャンマー中央統計局によると、昨年、414社の日本企業が同国に支店を開店した。2008年の世界金融危機後、かなりの円高となり「日本株式会社」はミャンマーを含むアジア諸国への投資を模索した。
日本のビジネスリーダーと密接な関係を保ち、日本企業の海外ビジネスに関する意思決定に大きな影響力を持つ一部の元米官僚が、ミャンマーへの直接投資を熱心に勧めたのだ。
ミャンマーの軍事フンタが保有する金資産に関する元顧問として、私は日本企業のミャンマーの状況に関する準備不足に関して懸念してきた。軍事フンタはタイのとある大手銀行に預けていた8,000トンの金を外国のバイヤーに売り払おうとしたが、軍事フンタが提案した価格を中国と韓国の国家バイヤーが拒否したため、困難に直面していた。ミャンマーの軍事フンタはすぐに反革命を試みるだろうと私は感じた。
ミャンマーでのクーデターは突然訪れたため、ミャンマーに投資した日本企業は問題を抱えている可能性が高い。ミャンマーに対して経済的制裁が課せられた場合、投資の撤回に困ることになるだろう。
この問題を回避する唯一の方法は菅政権に外交援助を求めることだ。外交面では2011年からほぼ毎年日本の外相がミャンマーを訪問しているが、今回のクーデターを批判せざるを得ないとなると、日本政府にとっては都合が悪くなる可能性がある。現首相は外交面での信用があまりなく、国内の問題への対処で手一杯なため、成功の見込みはあまりないだろう。
金融市場ではこの格言がよく知られている:ある市場に日本人が参入したら、その市場で利益を得るには遅すぎるということだ。ミャンマーに投資した日本企業は現在、軍事フンタに翻弄され、資産を失うことに直面しているため、今回は確かにそうなるだろう。
原田武夫 ― 東京のトップコンサルティングファーム兼シンクタンクである株式会社国際戦略情報研究所(IISIA)のCEO。