
フランク・カネ ドバイ
サウジアラビアは王国内で新しい投資規則の下で立ち上げ中の企業に、ただの「表面的な看板」ではなく、上位役員レベルの会社機能全般を持つことを求めるつもりだ。アラブニュースが明らかにする。
独占インタビューで王国の投資大臣ハーリド・アル=ファーリハ氏は、多国籍企業は政府と事業を行いたいのであれば「主要本社」を、できればリヤドに、持たなければならないと発言した。
「私達は企業が重役や経営幹部たちがいる主要本社をここに構え、他国の運営から報告を受け、教育、製品開発、地域業務の統合などの支援機能も全てこの地域の本社で執り行うのが見たいのです。ですので「これが地域本社です」という表面的な看板では受け入れられません」とアル=ファーリハ氏は言った。
彼のコメントは、ビジョン2030の経済改革の下において、サウジアラビアで得られる数兆の投資機会に乗じようとする企業への厳しい規則を課す事が先週決定された後のものだが、このコメントは投資省が新しい規制に関して詳しく説明した初めての事であった。
昨年投資省に移る前はサウジアラビアの重要エネルギーと石油部門で優れた役割を果たしたアル=ファーリハ氏は、中東の著名な政策立案者やビジネスリーダー達が時事的に重要な課題への見解について質問を受ける、フランクリー・スピーキングという録画放送に出演していた。
幅広いインタビューの中で、同氏は運営をサウジアラビアに本拠地を置くと決定した大手世界的企業はサウジアラビア人ではない人材を雇用する選択肢や、リヤド以外の他都市でも多国籍企業がジッダやダンマームのような都市で説得力あるビジネスケースを作れた場合は、地域本社として認められる可能性があるとも明かした。
彼は、新たな規則が2024年に期限を迎える中、グローバル企業を誘致する動きは多国籍企業にとってそれほど厳しいことではないと述べた。
「それどころか、私達は国際社会のパートナー達に手を差し伸べており、メッセージを明確にしているのです。これまでも王国はビジネスに対してオープンでした。これがまさに市場経済であり、常に民間部門にオープンな政府なのです」と彼は言った。
「これまで以上に王国、特にリヤドはいるべき場所となりつつあります。2020年と2021年に加速したビジョン2030の実施段階で展開準備が整っている、大きな機会を得る場所としてだけではなく、景気や王国とリヤド内における居住性の大幅な改善もされてきているのです」。
一部の企業が新たな規制に従おうとして、実際のビジネス拠点を中東のどこかで維持しながらリヤドで「看板」運営をするのではないかとの憶測が出ている。だがアル=ファーリハ氏は政府からの受注に入札を希望する多国籍企業は、王国に対して真剣な企業姿勢を示さなければならないと明確にした。
「メッセージは、調達方針を通じて王国が選び与える契約に関して私達は、この王国で完全に統合運用している企業と共に行いたいという意味です。それは意思決定から戦略的開発、政府調達や政府からの受注を遂行するにあたっての管理まで。それが私達の関心であり、権利です」と彼は語った。
本社が貢献する予定の地域の定義決定は企業に判断が任せられていたとアル=ファーリハ氏は述べたが、彼はこの問題に関するサウジアラビアの公式な考えの概要を述べた。「民間部門企業の前指導者で現政府指導者としては、中東、アフリカ、そして西アジアの一部を総合的な世界市場として見ており、そしてリヤドはその広範囲を繋ぐ首都として見ています」。
リヤドへの移転に反対する企業であっても、ここで事業を行うのは依然として歓迎すると彼は主張する。「誤解しないでほしいのは、他で本社を構える事を選んだ企業に対しても、私はここで本社を構えると決めた企業と同じくらいマーケティングを行うつもりです、」と彼は述べた。
「私達は何らかの理由でここに本社を置かない事を選んでいる企業をいまだに勧誘しているのです、王国は彼らを歓迎して迎え入れます」
今後10年間で人口を倍増させ、世界の都市経済のトップ10の1つを目指す大がかりな計画の対象であるリヤドは、アル=ファーリハ氏が企業の設立に推奨する場所である。
「リヤドは優位になります。ここ10年で地域本社が発展したその他の国を見ると、全ての国に一つの商業首都があるという傾向が見えました。そこでは企業達が共に融合し、ネットワークが形成され、支援サービスの舞台となるのです」
散らばってから彼らを引き合わせようとするよりも、それをサウジアラビアで行う事は企業にとって有益だと考えています。インセンティブを提供する特別な経済地域を造ることにより、私達はリヤドをその街として推奨しているのです」とアル=ファーリハ氏は言った。
だがもし多国籍企業が他のサウジアラビアの都市を拠点として選ぶやむ負えない理由を抱えているのであれば、それでも対象となる。
「それでもなお、もし誰かが顧客に近いからといった理由や、ビジネスとしてはそこで意味を成すという理由で異なる地域を選ぶのであれば、それら企業が必要な支援全てを与えるために私達は尽力します」と同氏は述べた。
リヤド市の王立委員会と協力するこのリヤドの計画は、世界中の重役にとって首都を魅力的な提案に仕上げてくれると、彼は信じている。
「街の増築を進めており、居住性において競争力が高く他にはない強みを生み出しています。次の12か月間ではリヤドで開校する追加4校の学校を誘致する予定です。これらは一流のインタナショナルスクールです。屋敷も建築されており、レクリエーションとスポーツイベント用にかなり先進的なアリーナも計画されています」
「空港も拡張され、リヤドは地方空港の中でも、他の競合空港よりも多くの目的地とより多くの乗客を扱う最大の空港を得ることになります。それはサウジアラビア王国の3つや4つの都市で再現するのは難しいでしょう」とアル=ファーリハ氏は言った。
国際的な役員達とその家族の流入で都市の魅力が増し、サウジアラビア市民に民間部門での雇用を求める動機を与えるだろうと。
「サウジアラビア人や海外駐在者、王国内で最高の大学を卒業した高学歴のサウジアラビア人達、その他世界中のそういった人々が入り混じることで企業が豊かになり、国際市場への対応にむけて事業に更なる競争力をもたらします」とアル=ファーリハ氏が語った。
「これは実現すると私達は信じており、多くのサウジアラビア人達が繫栄し、キャリアの機会を得るとも信じております。ですがそれ(サウジアラビア人を雇用する事)は移る事を選んだ企業に対して強要はされません」
まだ微調整中の新たな規制は、国際投資家達にとって3兆ドル相当の機会だと最近明らかになった、海外から王国に直接投資を誘致する活動の大部分である。
アル=ファーリハ氏は外国投資からくるGDP5.7%の目標を達成する方法はまだありはするが、2020年の世界のFDI42%減少と比較してサウジアラビアはFDIの増加を示したと述べた。「傾向は絶対レベルという点から見て、正しい方向に向いています。 私たちはこれは旅路なのだと実感しています」と彼は言った。
彼は外国投資を誘致するには王国自体がより上手く売り込む必要があると気づいたが、そこには外国人投資家達向けの基本的な要素が揃っていた。「マクロレベルでは、王国が政治、治安、安全性、政府の質、統治の質においても、最も安定した国の一つだと人々は気が付いていると思っています」と彼は述べた。
彼は投資省での彼の役割について、規制制度が国際水準に達している事を確実にする事と、王国内で外国人投資家達とその他の公共団体や民間団体の間で「仲人」としての役割を果たす事だと述べた。
「国内投資家向けだけでなく、外国人投資家、国内投資家、そしてPIF企業間の仲介も行います」と彼は言った。
アル=ファーリハ氏はサウジアラムコの会長として、またエネルギー大臣としての経験が大規模な投資活動においての強みとなる、国際的な接点と幅広い分野での経験を彼に与えたと語った。
「もちろん、エネルギー部門はいつでも王国の主導部門であり続けます。ですが石油さえも超えてこの王国はエネルギーを輸出し、さまざまな種類のエネルギーを沢山作り出す、エネルギーに満ちた王国になると私は常々言っています」 と彼は言った。
ツイッター: @frankkanedubai