
フランク・ケイン
ドバイ:サウジアラビアとロシアを中心とする石油生産国の連合OPECプラスは、最近の世界市場での原油価格急伸の要因となっている生産量抑制の大部分を維持することで合意した。
ウィーンの石油輸出国機構(OPEC)本部で開催された各国のエネルギー相によるオンライン会議の後、ロシアとカザフスタンだけが4月の生産水準を増加させることが許可された。
サウジアラビアは年初から市場のバランスを保ってきた100万バレルの大幅な減産をもう1か月間「ロールオーバー」した。
サウジアラビアのエネルギー相アブドル・アジズ・ビン・サルマン王子は各国のエネルギー相に対し、「現在の正しい行動は、準備を怠らないことであり、不測の結果に備えておくことだ」と述べた。
アブドル・アジズ王子は石油供給に対するサウジアラビアの「慎重で用心深い」政策の継続を促した。
パンデミック後の経済回復について続く憂慮を反映して、アブドル・アジズ王子は「一歩前に進む前に、前方に見えるかすかな光がこちらへ向かってくる急行列車のヘッドライトではないことを確認しよう」と述べた。
王子は「1月に我々が前回の会合を行って以来、世界の石油市場が改善していることに疑いの余地はない」と述べ、昨年の石油危機が高まった際に合意された減産の順守率が103%と高い水準に達していることに言及した。
しかし、石油需要の回復は完全ではない。
「私は長い間、世界の石油需要の回復はワクチンの受け入れと、これらのワクチンが世界中で接種されるスピードに密接に関連していると述べてきた。回復のペースをめぐる不確実性は後退していない」とアブドル・アジズ王子は話した。
ほとんどのOPECプラス構成国はサウジアラビアの慎重な姿勢を支持したが、ロシアとカザフスタンは冬期の国内的な燃料需要のために、来月の間それぞれ日量12万バレルと2万バレルの追加生産を許可された。
OPECプラスは、昨年4月の歴史的な会合で石油需要を崩壊から立て直して以来、約23億バレルの石油が世界市場から取り除かれたと指摘した。
OPECプラスのエネルギー相らは、経済見通しと石油需要は今後数か月間不透明なままだが、世界各地での広範なワクチン接種は世界経済と石油需要を押し上げ、今年の残りの期間に肯定的な影響を与えるだろうと述べた。
世界的な指標であるブレント原油は、4月1日に市場を襲った原油の供給過剰に対する投資家の懸念が杞憂に終わったことから、1バレル65ドル以上に急回復した。