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サウジアラムコ、クリーンエネルギーへの転換で中国に協力すると表明

サウジアラムコは中国とエネルギー分野で50年間協力し、気候変動と戦うための新技術を開発するため関係を強化すると約束した。(Shutterstock/資料写真)
サウジアラムコは中国とエネルギー分野で50年間協力し、気候変動と戦うための新技術を開発するため関係を強化すると約束した。(Shutterstock/資料写真)
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24 Mar 2021 05:03:29 GMT9
24 Mar 2021 05:03:29 GMT9
  • サウジアラビア側は、中国への石油精製・化学製品の供給からも巨大な利益が得られると目論む

フランク・ケイン

ドバイ: サウジアラムコは中国とエネルギー分野で50年間協力し、気候変動と戦うための新技術を開発するうえで関係を強化していくと約束した。

2021年中国開発フォーラムで、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)はこう述べた。「今後5年間だけでなく、50年間、さらにその後も含めて、中国のエネルギー需要を確実に満たすことが我が社の最優先事項です。

「中国がイノベーション・近代化・持続可能性の分野で目標を達成できるよう、北京にあるサウジアラムコの研究センターではすでに中国の各大学や企業と共同研究を進めており、よりクリーンなエンジン燃料システム、触媒を使って石化製品を生産する技術などを開発しています。もちろん温室効果ガス排出の削減・除去には大きく力を入れています」

サウジアラビア側は、新エネルギー技術の開発だけでなく中国に石油精製製品や化学製品を供給することからも巨大な利益が得られると目論んでいる。

「石油・天然ガスを原料とするブルー水素や低炭素型製品の分野で新たな共同研究が始まる見込みです。低炭素型製品とはブルーアンモニア、合成燃料、CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)、材料工学のことです」とナセルCEOは述べた。

中国は世界最大のエネルギー輸入国であり、サウジアラビアはすでに最大の中国向け原油供給国の1つとなっている。

「新しい時代の到来にあたり、中国の経済発展や両国が共に繁栄するため当社が今以上に貢献できるものと期待しています。あらゆる段階で中国側のパートナーと連携し、こうした戦略的で付加価値を生む、両国共通の優先課題を実現していく所存です」と同CEOは述べた。

習近平国家主席は昨年、2060年までに温室効果ガス排出量を「実質ゼロ」にすることを中国経済が目指していると発表した。

ナセルCEOはこう述べた。「再生可能エネルギーが世界のエネルギー転換をより迅速かつ円滑に進めるうえで不可欠なことは理解しています。しかし現実的な計画を立て、実現可能なことから優先して実行することも絶対に必要です。

「優先事項の1つに、新たなエネルギーインフラを開発し、新たなエネルギー源が直面する技術的・経済的課題を克服することがあります。しかし現実的には、多くの地域で石油に取って代わるものはないに等しく、再生可能エネルギーの実現にはしばらく時間がかかります」とアラムコのCEOは述べた。

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