
東京引き揚げ作業員らが、世界貿易の重要な通路であるスエズ運河を約1週間にわたって塞いでいた巨大コンテナ船を離礁させることに成功したという報道をうけ、月曜日には原油価格が2%以上下落した。
グリニッジ標準時午前5時11分(日本時間午後2時11分)までに、ブレント原油は、1バレルあたり1.38ドル(2.1%)下落し、63.19ドルとなった。米国原油価格は1バレルあたり1.48セント(2.4%)下落し、59.49ドルとなった。
スエズ運河で立ち往生しているコンテナ船「エバーギブン号」は、ほぼ完全に浮いた状態になっており、移動する前に検査が行われる予定であると、本件に詳しい海運関係者が月曜日にロイター通信に語った。
他にも数百隻のコンテナ船、ばら積み貨物船、石油を積んだタンカーなどが運河の両端で滞留しているが、この船の離礁のニュースを受けて、午前中に小幅に下げていた原油価格は直ちに急落した。
トレーダーや投資家らが、重要な貿易中継地点が封鎖されたことによる影響や、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するためのロックダウンによる広範な影響を考慮したことをうけ、ここ数日、原油価格は大きく変動した。
OANDA社のシニア・マーケット・アナリストであるジェフリー・ハリー氏は、「このような市場の変動は今後も続くだろう」と述べた。
「先週の原油価格の変動を考慮すると、ブレント先物は60.00ドルから65.00ドルの範囲の下限に動きそうだ」とし、一方、米国原油価格については「57.50ドルから62.50ドルの週範囲の下限まで下がりそうだ」と述べた。
今週開催される石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が参加する会合において、原油生産量の削減が維持されるとの予想が原油価格を支える要因の一部となっている。
ロイター