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G7、経済安保と成長の両立を=議長国日本に期待、「植田日銀」支持―IMFトップ

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08 Apr 2023 04:04:19 GMT9
08 Apr 2023 04:04:19 GMT9

ワシントン時事:国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は6日、ワシントン市内で時事通信のインタビューに応じた。先進7カ国(G7)が対中国を念頭に経済安全保障での連携を図る中、分断が深まれば「成長に悪影響を及ぼす」と主張。経済安保と成長の両立に向け、今年のG7議長国・日本の指導力に期待を示した。また、植田和男次期日銀総裁の下で金融政策の変更が行われれば、支持すると表明した。

世界経済は、米中対立や高インフレ、米銀破綻に端を発した金融不安に見舞われ、約30年ぶりの低成長が見込まれている。専務理事は日本の物価も上昇しているとして「日銀が金融政策にさらに柔軟性を持たせるのは妥当だ。IMFは日銀と極めて良好な協力を続けたい」と強調。インフレ抑制に向けて欧米の中央銀行が利上げを進める中、日銀が大規模緩和路線の修正が必要と判断した場合は「明らかに支持する」と断言した。 

日本はG7議長国として、世界経済の低迷打開に向けたかじ取りを担う。専務理事は、新型コロナウイルス流行やロシアのウクライナ侵攻に伴うサプライチェーン(供給網)の混乱が「著しいコスト増を招いた」と説明。G7が経済安保の観点から半導体や鉱物資源など戦略物資の「脱中国依存」を進めていることを念頭に「安定供給が多くの国にとって一層重要な優先課題となっている」と語り、一定の理解を示した。

ただ、G7と中国の地政学的な緊張が高まれば、世界経済の「分断」が深まりかねないとも訴えた。IMFによると、輸出入制限などにより世界のGDP(国内総生産)は最大7%失われる。これは日本とドイツのGDPの合計に相当する規模。専務理事は、供給網の制約が長引くと「コストが上昇し、インフレ圧力を強める。小国にも影響が及ぶ」と警告し、議長国の日本と「いかに悪影響を最小限に抑えるか議論したい」と話した。

アジアで唯一のG7メンバーとして日本の役割は大きい。アフリカや中東、東南アジア、南米を含む「グローバルサウス」の諸国に脱中国依存などで協力を促していくことも今年の課題となる。一方、専務理事は、分断回避に向けて「中国を含めた多国間の協調や協議」が不可欠だと繰り返した。世界が異なる陣営に割れる「ブロック経済」が現実味を帯びる中、今後もG7が国際経済秩序を維持するため、議長国の日本は重責を負う。

時事通信

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