
東京:世界第3位の経済国である日本がコロナ禍による損害に苦しむ中、日本銀行が木曜に発表した「短観」では景況感の回復が見られた。
3月の「短観」(全国企業短期経済観測調査)の大企業製造業の指数はプラス5と、12月の-10から大きく回復し、予想のプラス4を上回った。
調査結果では過去3四半期で2019年後期のコロナ以前の水準に着実に回復していることが明らかになっている。
短観では景況感が良いと答えた企業の数から悪いと答えた企業の数を引いた数値を用いて、企業の景況感を測る。
大企業非製造業では4ポイント改善のマイナス1となり、大企業製造業と比べ回復が遅いことが示された。
三井住友トラスト・アセットマネジメント(SuMi TRUST)シニアエコノミスト押久保直也氏によると、サービス業の回復の遅さは政府が定期的に発令し直近では3月に終わった非常事態宣言が原因だという。
輸出による回復が堅調な一方で飲食・旅行・宿泊業は失速しているが、非常事態宣言は日本の一部にしか発令されなかったため全体的な影響としては昨年よりも小さくなると、押久保氏は今週のレポートで述べた。
「世の中全般がコロナ対策に慣れてきたといえる」と押久保氏は述べた。
昨年、日本企業の景況感は新型コロナにより、10年以上前に経済が金融危機による大打撃を受けた当時の水準に落ち込んだ。
貿易や一部の経済活動には回復が見られる一方、近年経済成長の大きなけん引役となっていた観光業による収入は入国規制により落ち込んだままだ。
新型コロナによる日本の死亡者数は9,100人に上る。ワクチン接種は始まったばかりで、接種者はまだ人口の1パーセントにも達していない。
最近の「第4波」により感染者数が増加する中、7月開幕予定の東京オリンピックでは選手、企業・政府役人、メディアを含む何万人もの人が海外から入国することになるため、懸念が増大している。
AP