
フランク・ケイン
ドバイ:サウジアラビアは、再生可能な燃料源とクリーンエネルギー技術の開発において、重要な役割を果たすことを公約した。
同国は、チリの首都サンティアゴで行われる、「ミッション・イノベーション2.0 」とよばれるイニシアティブに参加した23の国家・国際機関からなる中核グループに参画する。このグループは、再生可能エネルギーの革新に今後10年間で2500億ドルの投資をする予定である。
サウジのエネルギー大臣アブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は、オンラインイベントで「サウジアラビアは、循環型の炭素経済の基盤のもと、温室効果ガス排出に対処するための技術の研究、開発、展開と普及を加速させ、温室効果ガス排出に対処する技術と解決策を推進することを公約します」と述べた。
この公約は、パリ協定下の気候変動に関する目標を達成するための作戦における、再生可能エネルギーと技術という重要な分野に対する同国の戦略のうちの最新のものである。
今年の初めには、サウジアラビアは「サウジグリーン」計画を発表した。この計画の下、2030年までには国内のエネルギーの50パーセントが再生可能なエネルギー源から生産され、大気中の炭素を軽減するのを助けるために100億本の木が国内に植えられることになっている。
サウジアラビアは、「グリーン水素」の生産と輸送において協力するため、ドイツとの協定にも署名した。グリーン水素は、専門家たちによって最終的には化石燃料に代わる「未来の燃料」とみなされている。
先週、アブドルアジーズ王子は、産油国の連合OPECプラスの会議で、サウジアラビアは、炭化水素のよりクリーンで効率的な利用法を追求しつづける一方で、再生可能燃料の分野で先駆けて、気候変動対策計画を推進していくと述べた。
「サウジアラビアは、もはや単なる産油国ではなく、エネルギー生産国、競争力のとても高いエネルギー生産国です。私たちは低コストの石油やガス、太陽光などの再生可能エネルギーを生産し、最低のコストで水素を生産します。私たちはこれらすべての活動において、勝者になるだろう」と彼は話した。
サウジアラビアは、ミッション・イノベーションの2つの分野、「クリーン水素」と「グリーンエネルギーによる将来」に参加する予定である。
前者は、2030年までに全面的なコストを1キロあたり2ドルに削減することによって、クリーン水素のコスト面での競争力を高めることを目指している。後者は、さまざまな地理・気候における電力システムが、2030年までに、電源構成において100パーセントにいたるまでさまざまな再生可能エネルギーを効率的に統合し、かつ、費用効率が高く、確実で強じんなシステムを維持することを実証することを目指している。
米国の気候問題担当大統領特使ジョン・ケリー氏は、「ミッション・イノベーション2.0の開始は、気候問題に関する私たちの共同目標を達成するための重要な一歩前進です。2050年までにネットゼロ排出を達成するためには、2030年までに緊急の行動が必要とされます。私たちがすでにもっているクリーンエネルギー技術を展開するため、また、グローバル経済を完全に脱炭素化するのに必要な革新を開発、実践、調整するためにもです」と話した。