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湾岸諸国、税制等の問題により今後10年は炭化水素への依存続く ムーディーズ分析

ほとんどの湾岸諸国では、石油とガスが依然としてGDPの少なくとも5分の1を占めている。 (Shutterstock)
ほとんどの湾岸諸国では、石油とガスが依然としてGDPの少なくとも5分の1を占めている。 (Shutterstock)
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22 Jun 2021 05:06:11 GMT9
22 Jun 2021 05:06:11 GMT9
  • 湾岸諸国の炭化水素への依存は、継続的な多様化への取り組みにもかかわらず、引き続き主要な信用上の制約となると見られている

アラブニュース

ドバイ:湾岸諸国の増税への消極姿勢は、この地域がこれから少なくとも10年間炭化水素に依存し続けると見られる主な理由の1つになっている、との分析を格付け会社のムーディーズが示している。

湾岸諸国の炭化水素への依存は、継続的な多様化への取り組みにもかかわらず、依然として主要な信用上の制約条件であるとムーディーズは述べた。

「炭化水素から離れた経済の多様化は、依然としてこの地域で最も頻繁に語られている政策目標ですが、達成するには長い時間がかかりそうです」とムーディーズの上級アナリストで上述の分析を記した報告書の執筆者であるアレクサンダー・パージェシー氏は述べている。「発表された炭化水素の生産能力の増強計画および課税をゼロまたは非常に低い程度に抑えようとする政府の姿勢から考えて、炭化水素への過度の依存が今後数年間で大幅に軽減される可能性は低いと思われます。」

ほとんどの湾岸諸国において、石油とガスが依然としてGDPの少なくとも5分の1、総輸出の65%以上、政府歳入の50%以上を占めている。

ムーディーズは、政府の野心的な計画にもかかわらず、2014年以降の多様化の取り組みは限られた結果しかもたらしておらず、今後の成果にも石油価格下落によりブレーキがかかるだろうと警告している。

多様化の勢いは加速するかもしれないが、その勢いもプロジェクトに資金を提供するリソースの利用可能性の低下、範囲の狭い諸分野におけるGCC(湾岸​協力会議)加盟国同士の競争によって抑制される可能性が高いと見られている。

利益税・ロイヤルティ・配当金(国営石油会社が支払う)の形で集められる炭化水素資源収入は、依然として地域全体の政府収入の大部分を占めている。

ムーディーズはこれを、GCC各国の政府が課税をゼロまたは非常に低い程度に抑えた税環境に長年取り組んできた政府の姿勢の結果と考えており、またこうした税環境は「支配層と市民の間の暗黙の社会契約の一部といえますが、非石油部門の成長と発展にインセンティブを与えたいという願望もまた反映したものです」としている。

ムーディーズは、 GCC諸国は2019年に非炭化水素GDPの平均4%未満に相当する非炭化水素税収を得たと推定している。これは、主要な高所得国の同じ比率が22%であるのに対して、かなり低い数字となっている。

同社はまた、石油価格を1バレルあたり平均55ドル(中期予測のほぼ中央値)とした場合、炭化水素は少なくとも今後10年間は、GCC諸国のGDPおよび政府歳入の最大の要素であり続けるだろうとの予測を示している。

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