
ドバイ:9月1日、アップルはアップストアのルールをさらに緩和して、ネットフリックスなど一部のコンテンツ会社が自社サイトへのリンクを提供して、顧客による有料アカウント登録を可能にすることを認めた。
この譲歩は日本の独禁当局との和解の一部だ。同当局は、この変更により5年間に及ぶ、ゲームではなく動画アプリや音楽アプリに焦点を絞ったアップルへの調査を終了することを明らかにした。
だが、米ハイテク巨大企業アップルは今後も、自らがゲーム制作者に課しているルールに対する他の法的申し立てや規制上の申し立てに対処する必要がある。注目の的である、『フォートナイト』制作企業エピックゲームズが提起した反トラスト法訴訟もその一つだ。
別リンクの提供禁止は、電子書籍、動画、音楽などのコンテンツを提供するいわゆるリーダーアプリについては解除された。無料サービスを提供せず、サインアップ時に支払いを求める範疇のアプリだ。
この変更は来年初めにも発効し、世界全体で適用されることをアップルは表明している。どのアプリがリーダーアプリに該当するかの最終的な決定権はアップルが保持する。
この譲歩は不十分と主張する企業もある。
EU競争当局と協力してアップルに対する反トラスト訴訟を推し進めているスポティファイは声明で、「限定的な反ステアリング条項の修正は、当社のすべての問題を解決するものではない」と述べている。
アップルのアップストアは538億ドル規模のサービス部門の中核を占めており、アプリ内購入では15から30パーセントの手数料を徴収している。
アップストアのゲーム制作者向けルールは大きな議論の的になっている。とりわけ問題なのは、開発者にアプリ内で他の支払い方法を許可しないことで、エピックゲームズもこの慣行について争っている。
この訴訟では、アップルデバイス上でどのアプリが利用できるかの決定権をアップルが保持できるかどうか、またアップルが開発者に手数料を課すことが許されるかどうかが判断される。
アップストアに関するアップルの今回の発表に対して、エピックゲームズCEOのティム・スウィーニー氏は、断片的で不十分な措置でなだめようとしているとして、アップルを非難した。
「アップルはiOSについて、ハードウェア、ストア、決済、サービスを個別に開放すべきだ。それぞれが独自の長所に基づいて競争する必要がある。ところが実際は、アップルは文字通り日々分断攻略法の再計算を行って、抱き合わせ慣行のほとんどでお咎めなしで済まないかと期待している」とツイッターで述べている。
Apple should open up iOS on the basis of hardware, stores, payments, and services each competing individually on their merits.
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) September 2, 2021
Instead, they're running a literally day-by-day recalculation of divide-and-conquer in hopes of getting away with most of their tying practices. https://t.co/2L9n7EvSo0
日本の公正取引委員会の当局者はメディアへのブリーフィングで、調査の範囲にゲームは含まれていないことを強調したが「ゲームに関する調査も行われる可能性はある」と述べた。
アップルは日本のスマートフォン市場で46.5パーセントのシェアがあり、年間販売台数は3千万台以上だ。
iPhoneメーカー・アップルの今回の譲歩は、この2週間で2度目の譲歩になる。先週、アップルは集団訴訟で米国の開発者グループと合意に達した。ユーザーへのメールで別の支払い方法を伝えることは禁止されていたが、その禁止が解除された。
最新の申し立ての一つにおいて、8月31日に韓国政府はアップルを含む主要アプリストアの運営者に、自社の決済システムを開発者に強制することを禁止した。事実上、アプリ内購入に手数料を課すのをやめさせた。
アップルは米国と欧州でも同種の立法措置に直面している。
情報筋の情報やロイターが目にした文書によると、同社はインドで非営利団体が提起した新たな反トラストの申し立てにも直面している。