
アラブニュース
リヤド:世界的な不動産コンサルタント会社であるナイトフランク社によると、サウジアラビアでは今後9年間で、130万戸以上の住宅とホテル10万室以上が建設されるという。
サウジアラビアの2021年上半期の住宅ローン件数が、2016年同期比10倍に伸びたことを受け、同社はこのような予測を導き出した。
2016年に「国家変革計画」が公表されて以降、不動産およびインフラ関連で発表されたプロジェクトは、約1兆ドル相当におよぶとナイトフランク社は見積もる。
これは、計画されている総支出額3兆2000億ドルのわずか3分の1に過ぎないと同社はいう。
ナイトフランク社の中東リサーチ部門責任者であるファイサル・ドラニ氏は、次のように語る。「サウジアラビアのオフィス市場では、額面賃貸料は明らかにコロナの影響を受けましたが、リヤド市内の条件の良いオフィスはコロナ以前の水準にまで回復しており、需要は急速に伸びています」
「産業用市場も、多くの場所で需要が供給を上回っており、かつてない率で伸びています」
2021年の第1四半期は、経済や不動産環境の改革を目指す政府の取り組みにより、ビジネス活動が急激に好転したため、外国企業の新規投資ライセンスの発行件数が過去最高となった。
国内のインフラ構築としては、5000億ドルのNEOMや、リヤド近郊の高級街区である200億ドルのディルイーヤ・ゲートなど、8件の巨大プロジェクトやスーパーシティーの建設が計画されている。
ナイトフランク社のハーメン・デ・ヨン氏は、「政府主導の大規模プロジェクトを官民連携で取り組むという形の中で、民間不動産開発業者の意欲が高まっているのがわかります」と語った。
「これは、『ビジョン2030』構想の実現を一層推し進めていくことになる重要な傾向だといえます」