
アラブ首長国連邦(UAE)最大の石油会社であるアブダビ国営石油(ADNOC)が掘削部門の子会社、ADNOCドリリングの新規株式公開(IPO)に向けたブックビルディングを完了し、11億ドル以上の資金を調達した。同社が27日、発表した。
応募は予定額を超え、総需要額が340億ドル以上に達したと、ADNOCは発表の中で述べた。
「決済がなされると、ADNOCドリリングのIPOはアブダビ証券取引所の上場銘柄としては史上最高額となり、UAEそしてアブダビのエクイティ・キャピタル市場(ECM)をさらに活気づけることになるでしょう」と同社は述べた。
UAEの個人投資家向けのトランシェは10%、地元や地域、また国際的な機関投資家向けには86%のトランシェが設定され、残りの4%はADNOCの従業員とUAE国内の退職者に割り当てられる予定だ。
同社によると、上場予定日は10月3日とのこと。
ADNOCは引き続き同掘削部門の84%の過半数株式を保有することとなり、ベーカー・ビューズも5%の株式保有を維持する。またヘルメリッチ・アンド・ペインは、IPOのコーナーストーン投資を通して1%を保有する。
ADNOCは応募額が予定額を超過したため、同社のIPOへの出資比率を11%に増加したと、今月発表した。元々は、7.5%の最低出資比率を目標として設定していた。
今回のIPOは、ガソリンスタンドとコンビニエンスストア業界におけるUAE最大の運営会社であるADNOCディストリビューションが2017年に上場して以降、アブダビの大手石油会社が保有する企業としては2番目の新規公開株となる。
ADNOCと隣国・サウジアラビアのサウジアラムコは石油依存の経済における収入源を多角化する計画の一環として、外国投資家からの資金調達を模索している。
ロイター