
シャータ・アルマスーディ、ヤナ・サルーム、ルーバ・アルラード
リヤド:先月2019年第1四半期以来となる四半期予算の黒字を報告したサウジアラビアは、原油価格が数年ぶりの高値付近で取引されているにも関わらず支出を抑制している。
サウジ財務省は、原油価格や収入にかかわらず支出に上限を設けたとモハメド・アル・ジャダン大臣は1日に開催された金融安定化会議で述べた。
アル・ジャダン大臣によると、政府は持続可能な財政プログラムを通じて財務の安定に反映される持続可能な財政と開発を達成するための財務ルールを取り入れて、原油市場の変動などの外的要因による影響の低減に取り組んでいるという。
これらのルールには中期的な支出上限を決定する新たな方法論が採用されているという。
この財務ルールでは、将来の期待値だけでなく、長期的な過去の平均的な実質収入から割り出された構造的な石油収入の推定値と、非石油収入の非石油GDPに対する割合の概算を出し、この組み合わせから支出の上限が算出されていると大臣は説明した。
同ルールにより支出の変動とそれによる複数の悪影響を抑えることができるという。
また、同ルールには政府準備金の最低限度額と最高限度額も規定されており、これにより余剰金は政府準備金を拡充し、開発基金や公共投資基金の支援、公的債務の一部の支払いなどに利用されることになる。
サウジアラビアは、新型コロナ流行という最悪の状況下でも債券の発行に課題はなかったと彼は話した。
信用格付けは、政府や国債のためだけでなくコスト削減のためにも重要だったと大臣は述べた。
格付け会社ムーディーズは今月初めにサウジアラビア政府の見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。
同機関は、サウジ経済は2021年にプラス成長に転じ、2021年には財政赤字が縮小して経常収支水準は黒字に転じ中期的には債務水準の削減を伴うと予測している。
サウジアラビア財務省の最新の四半期報告書によると、サウジアラビアの予算は、前四半期の46億1,000万SRの赤字と2020年の第3四半期の410億SRの赤字から、今年第3四半期には66億8,000万SRの黒字に転じた。
同省の報告書によると、石油収益は9月までの3ヶ月間で前年同期比60%増の1,480億SRに達した。
また、同データによると、同じ期間の社会的支出は41%減少し、補助金はほぼ半分に減少している。
個人投資ファンドと民間部門
アル・ジャダン大臣は、公共投資基金に準備金や投資を行う目的は、政府支出に財政的な安定性を保つためだと述べた。民間部門に影響があるソブリン信用格付けへのマイナス影響があるため、政府はこの回避に尽力していると大臣は付け加えた。
サウジアラビアのその他の目標について、鉄道や港湾網を含む世界的な物流ハブになるという明確な方向性があると大臣は述べた。
港湾は大きく成長しており、これまで無駄になっていたチャンスが活かされ、多くの港湾がさまざまなタイプのサービスに活用されている、とアル・ジャダン氏は話した。
「民間企業に非常に大きなチャンスがある 」と彼は言った。