
サーシャ・アル・マソウディ、サラ・アルファイズ
リヤド:サウジアラビアの中央銀行のファハド・アル・ムバラク総裁によると、2008年~2009年の金融危機ではサウジアラビアの銀行は1行もなくならず、金融部門は、新型コロナのパンデミックによる経済の低迷に直面する中、再び強い立場に立っているという。
サウジ通貨庁としても知られる同中央銀行は、これまでも、これからも、国際基準を厳格に適用し、サウジ国内のその他の機関でも同様だと、アル・ムバラク総裁が25日、リヤドで開かれた金融安定会議で述べた。
サウジ通貨庁は、世界的な金融危機の時には、銀行に対する国際的な規制枠組み、バーゼルIIを適用していたが、現在はその改訂版のバーゼルIIIを忠実に守っている。これは、当時、サウジの銀行があらゆる影響に対処できる準備高と強さを有していたということであり、これは新型コロナのパンデミックの中でも同様だと、総裁は述べた。
サウジの銀行の自己資本比率は20%、流動性は80%で、不良債権は僅か約2%だと、総裁は述べた。
銀行、金融、保険部門は、現在の危機を乗り越えるには有利な立場に立っていると、アル・ムバラク総裁は述べた。
さらに、サウジ通貨庁は、単に金融部門を保護するだけでなく、経済が引き続き確実に上手く働くようにすることも目指してきたと、総裁は付け加えた。
アル・ムバラク総裁によると、サウジ通貨庁は民間部門、特に中小企業を保護するために数多くの措置を講じ、融資の返済猶予を含む4つのプログラムを立ち上げたという。
銀行や金融企業は、2000億サウジリヤル(533億ドル)以上に相当する10万件以上の融資契約で返済を繰り延べたと、総裁は述べた。
サウジ通貨庁は、繰り延べられた融資額に基づき、銀行に500億サウジリヤルを注入したと、総裁は語った。
総裁によると、2020年3月、サウジ通貨庁とカファラは、中小企業向け融資の95%を保証する132億サウジリヤルの融資保証プログラムを立ち上げ、これにより7500件の新規契約の提供が可能になったという。
サウジ通貨庁はまた、サウジのデジタル決済インフラにも投資し、デジタル決済にかかるコストを12億サウジリヤル削減する後押しになったと、総裁は述べた。