Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • ビジネス
  • 小型の原子炉がサウジアラビアのエネルギー需要を満たすと報告される

小型の原子炉がサウジアラビアのエネルギー需要を満たすと報告される

ウェスティングハウスの小型モジュール原子炉(SMR)用地のためのコンセプト設計の画像が、2016年7月21日にロイターに提供された日付のないパンフレットの画像の中に映っている。(ロイター、ファイル 写真)
ウェスティングハウスの小型モジュール原子炉(SMR)用地のためのコンセプト設計の画像が、2016年7月21日にロイターに提供された日付のないパンフレットの画像の中に映っている。(ロイター、ファイル 写真)
Short Url:
16 Dec 2019 04:12:02 GMT9
16 Dec 2019 04:12:02 GMT9

・小型モジュール原子炉は、従来の原子炉より小さい核分裂炉の一種。

アラブニュース ジッダ

サウジアラビアは持続可能な発展を維持し地球の生態系を守るエネルギーの生産方法を模索している。

王国は現在、国内の電力需要を満たすため石油と天然ガスに大きく依存している。公式の推定値によると、サウジアラビアは2019~2030年の間に地元の電力需要は40%上昇すると予測している。

電力使用が増加するというこの予測は、都市部の急成長や、「ビジョン2030」で構想されているように強力な製造部門を発展させ、産業基盤を拡大するという王国の計画によるものだ。

このような筋書きには、核エネルギー、太陽エネルギー、風力など別の発電方法を模索することが必要になる。

原子力発電は世界の電力の11%を供給し、30カ国で454基の原子炉が運用中で、中国の11基、インドの7基、ロシアの6基を含む54の発電所が建設中である。

サウジアラビア政府は2018年に国の原子力政策を発表した。800億ドル以上の費用をかけて、今後25年間に16もの原子力発電所を計画している。王国は2032年までに増加するエネルギー需要の15%を原子力発電で賄う計画だ。

また、政府は2024年までに太陽エネルギーや風力で27.3ギガワットを達成するなど、再生可能エネルギーについても野心的な目標を立てている。

核エネルギーは環境にやさしいだけでなく、24時間いつでも利用できる。太陽や風など再生可能エネルギーは恰好のエネルギー源だが、天候条件に依存しており、常に安定しているわけではない。

キングアブドラ石油研究センター(KAPSARC)は先ごろ、「ビジョン2030」の目標を達成するには王国内で小型モジュール原子炉(SMR)を使用すべきだという研究を発表した。

SMRは従来の原子炉よりも小さい核分裂炉の一種である。これらは工場で製造され、現地に運んで組み立てる。これらの原子炉は、より少ない現地の建物、より高い格納効率、核物質の安全が確保される。

研究によると、「原子炉の平均最大出力は、1950年代の50メガワット電気(MWe)から、今日の1.65ギガワット電気(GWe)へと向上した」。

王国にSMRを展開すれば、石油埋蔵資源をより有効に活用ができ、増大する国内のエネルギー需要を満たすことが可能になると研究で述べられた。また、知識の伝達を通じた人的資源の成長と、SMRの価値連鎖の発展による公共、民間部門の投資の増加が可能になる。

また、サウジアラビアへのSMR技術の配備は、サウジ・ビジョン2030の目標や目的の実現に向けて、経済面、開発面で大きなメリットを提供する。

1950年代以降、原子力発電技術は変容し発展してきた。スリー・マイル島、チェルノブイリ、福島での三つの大きな原発事故の後、原子力発電はさらに堅牢に、安全に、そしてもっと安心できるようになった。

KAPSARCによると、SMRの設計は、大型モジュール原子炉に比べ、より少ない初期投資、より短期の、簡素化された設計施工期間(7~10年に対し3年)を要する。というのも、ユニットはいつでも拡張できるからだ(モジュール一式を購入して、後で他のものを追加するなど)。

また、SMRは大型原子炉(LRs)よりも少ない資本で運用ができる。SMRのコストは、LRへの資金調達コストよりも低いと研究で示されており、投資家の信頼を築き、投資を呼び込む助けとなるだろう。さらに、SMRの安全性はLRよりもすぐれている。

特に人気
オススメ

return to top

<