マシュー・ブラウン
金曜の原油は1バレルあたり100ドル以上に値を戻した。前日の市場はモスクワのウクライナ侵攻により乱高下したが、ロシア軍がウクライナの首都キエフを封鎖したことを受け、原油価格が上昇した。
ブレント原油は値を上げ、リヤド時間午前11:43現在、2.1%高の1バレルあたり101.18ドルで取引されている。木曜は106ドル近くまで値を上げた後、米国の制裁がロシアのエネルギー輸出を標的としないものだったため、99ドルまで下落していた。米国の指標となるWTIは1.7%上昇し、1バレルあたり94.34ドルだった。
欧州の天然ガスは約19%値を下げ、1メガワットアワーあたり109ユーロ(121.90ドル)だった。木曜は142ユーロまで値上がりしていた。
シカゴ商品取引所の小麦価格は2.8%上昇し、2008年以来の高値となる1ブッシェルあたり9.61ドルを記録した後、さらに0.2%値上がりして取引されている。ウクライナとロシアは、世界の小麦輸出量の約3分の1を占める。
世界各国からの報復制裁措置は、まだロシアのエネルギー輸出を標的にしていない。これは、原油と天然ガスの供給国としてのロシアの重要性を考慮してのことである。欧州は天然ガスの年間供給量の40%をロシアに依存している。
リフィニティブ・オイル・リサーチのデータによれば、ロシアは2月に海上市場を通じて約266万バレル/日の原油を欧州に供給した。通常は月間200万バレル/日以上を定期的に出荷している。
日本の岸田文雄首相は金曜、ロシアに対する制裁を強化し、金融機関や軍備の輸出を対象に含めると述べた。また、それらの制裁措置が資源の乏しい同国のエネルギー供給へ影響を与える可能性については、考えにくいとした。
日本には約240日分の原油備蓄と2~3週間分の液化天然ガス(LNG)備蓄があると岸田首相は述べ、政府は燃料の小売価格の上昇を食い止めるための対策を強化すると付け加えた。岸田首相によれば、「ロシアに対する経済制裁は、エネルギー供給を直接阻害するものではない」という。
しかし、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使は、最近、日本の高官に対し、日本の措置に対する反応があることを通知したと述べ、それらの措置を「相互にメリットのない手段」と呼んだ。
ロシアのウクライナ侵攻は、西側諸国からの直接的な制裁がないとしても、世界の商品市場を混乱させる可能性が高い。多くの民間企業にとって、ロシアとのビジネスは大きすぎるリスクを伴うようになるためである。
木曜にウクライナ海域の黒海で、商品取引会社カーギルのチャーターした石炭バルク船が砲弾による攻撃を受けたという報道は、民間企業が直面するリスクを示唆している。